もりわじん絵日記 2002. 9
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9月30日 (月)  [326] はなみず

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9月30日雨
早く起きたはいいが、眠い。
来る福が始まってほっとしたせいか、疲れがぬけ切らないのか、この小雨そぼ降る陽気のせいか、とにかく目が窪んでだるい。
このままだるく、この天気のようにはっきりしないで何日もいたら、頭も身体もかびてしまい、心がすさみ、人を疑り自分は正しいと下から人を覗き込むようになり、猫背になって‥にゃー。
いい天気になってまぶしいぐらい晴れても、自分のとこだけは、どよ~んと暗く湿っていて「なぜ私がこんな風なの?私は間違っていない」と‥
人にこんな話をしても、人は聞いていて楽しくないものだから離れてゆく。
だれも話す相手はなくなり猫などを飼うが、猫はもともと身勝手だ、と八つ当たり虐殺。
まったくひとりになってしまい、ますます自分の考えに固執し、暗さは闇と同じになり、妖怪のたまり場と化する。
あーーーやばいやばい、さあ仕事でもしよう。
と、注文受けていたカレンダーの作品を粘土いじりする。
だんだんと、猫の顔が出来ていくと共に、明るい猫の表情につられ、私の心も晴れ渡る。
それにつられて外に青空が‥広がるわけではない。
粘土いじって、調子よくなってきたところに電話あり、東南アジアのいい家具があるのでいらないか、とのこと。
行ってみたところは、倉庫に預けてそのまま取りにこないで期限が切れ流れてしまった品々のコンテナ広場。
何個かのコンテナの中を覗く。
様々なストーリィがよぎるが、それは言葉ではなく、ものがあるからか?その家族や会社のアルバムのスナップ写真を見てる感じ‥せつなく面白い。
バンブーのイスや木彫りの引き出し付きイスや変なものを手に入れ、帰って和室に置いたが、ほとんど東南アジアのものなので、とっても涼しい夏って感じ‥これから冬が来るのに‥
仕方ないので、布や絨毯などを買いにいき暖かい雰囲気に改造した。
いやー、大変、ホコリがたって、外もうちも、はなみずだらけ。


9月29日 (日)  [325] 10万円の福猫

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9月29日曇り
今日は日曜日、各地の招き猫祭りはどうですか?
大勢の人々がやってきて、楽しんでくれてますか?
最近は不景気とかで、ものもお金も情熱もぐるぐるまわり願いは未来にあるのではなくこの現実が願いのまま、てな事にはいかなくなったもんね。
猫作り初めた10年前は、なかなか猫の形がわからないもので、公園にいって猫を写真に撮ったり、友だちから借りたビデオカメラで野良猫撮影して、帰って再生をストップさせてデッサンした。
それでも、猫の生態や、本質がわからないのでとうとう猫を飼う事になったのだが、別に野良でもいいのに、貯金全部はたいて10万もする猫を買ってしまったのだ。
個人的にはめちゃ不景気だったのに‥
それが今いるスコティッシュホールドのオレンダ・チャイ・チェンだ。
なんかがあったんだろうね。
魔がさしたのか?猫の魔術にあったのか?
ワシの中に、この猫が、絵も売れないどうしていいか解らないひも生活のワシに、福を招いてくれるのだー。
そんなふうに都合よく思ったかどうか解らないが、ペットショップの檻の中のチャイと目があって、どうしようもなく心がゆれ動いてしまった。
しかし、ポケットにそんな大金があるわけでもない。
明日銀行にいってなけなしの金を持ってきても、チャイが別の飼い主もあらわれず、ここにいてまた目があったら買おうと‥
いたんだよね。
今、向こうで、戸を開けてって泣いてるけど‥
こっちに回れば、猫ドアがあるのに‥人の愛情を試してるのかね。
しばらく無視して戸を開けてやらないと、猫ドアから入ってきて「いいもん、僕のことなんかどうでもいいんだ、えーイ、やけだー」と、机などにしっこやスプレーをする。
とんでもないアホで高価な福猫だ、まったく。


9月28日 (土)  [324] 茶の道

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9月28日雨
伊勢、瀬戸と回り、帰ってまいりました。
ほんとは前日に帰る筈だったんだが、お茶室で作品に付いての話などしてたら、お客さんからサイン下さいといわれ、うちのゆっくり君を腕で抱いている最近好きな格好の絵を描いてサインしたら、次々とサインする事になってしまい、嬉しいもんだから調子こいて、茶室の縁側に座り、まるで、どこかの観光地の似顔絵屋さんのようになり、お茶の先生方にまでサインしてしまいました。
そのせいで、電車乗りたい気分がどっか飛んでしまい、結局泊まる事になってしまったわけです。
嬉しい乗り過ごし、ありがたいこってす。
そして、今日も、ちょいと顔だして抹茶をいただき帰るつもりが、この雨降りなのに、新聞やテレビで宣伝されたせいもあり、すごい賑わい。
またまた沢山サインしてしまいました。
このサイン、猫の顔を逆さまに描いてゆくので、お客さんもなんだろう?あぁ~と感心し喜んでいただける。
と、いう事で、この不景気や下らん事件の多い御時世に、なぜか、ここだけは美しく華やか未来は明るい、雨も嵐も平気のへいちゃラ、なにせ、個展のタイトルが、『ねこチャン茶ラおかしい』だもん。
それにしても感動したのは、お茶の先生方。
もう結構年いってるのに、ただのおばさんやおばあちゃんにあらず。
‥おばさんではありません、などというおばさんは大抵ほんとのおばさんだけど‥
お茶先生方の中でも、70歳を超えたお母さんは、世を達観した魅力を備え、自然体とはこのような感覚なのだろうと‥つくづく感心。
遠くから見ても、話をしても、近くによっても、目を合わせてもワシの気が乱れない‥不思議だ、心地よい。
他人の気を乱さないどころか、ゆったりとさわやかにしてしまっているようだ。
これが茶の心髄なのだろうか?
実のところ、一泊よけいに泊まったのは、このお母さんを見ていたかったからなのだ。
いや~実に美しいおばあちゃんで‥
この人こそ、ほんとうの福を招いているのでしょう。


9月23日 (月)  [323] ぬるぬめ~

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9月23日曇り
朝、マエノッチが瀬戸個展用の荷物を取りにきて、あとは昼過ぎ宅急便でおくる。
ゆっくり君が台所にいてSS(食事 しょう)の顔をジーッと見つめてる。
あ~もう、かわいいんだから。
と、ワシが食うために開けたヨーグルトの一番旨いこってりした上の部分を皿にとってあげる。
さあ、おなかに善玉菌を入れて丈夫になるんだよ。
‥さあ、どうかね?
猫に善も悪もない。
すべて消化し、すっきりさわやかだもんね。
これが自然(至善)というもんさ。
いよいよ明日お出かけです。
実は25日が搬入で、昼頃着いて展示しなきゃアなんない。
25日朝早く発つのが面倒なので一日前のんびり向かうのだ。
伊勢近くの温泉で寛ぐわけですな。
温泉好きのワシにとっては、もうたまらない旅。
3年前、すごいいいお湯を見つけたのだ。
それ以来、そこが恒例になっている。
ぬめぬるッとしていて、飲んでもうまイ、源泉は人肌ぐらいの温度でぬるいが、初めて風呂場を覗いた時、じいさん達がぷかぷか浮いているので、死んでンのかなと思いツンツン突いてみた‥なんちって。
ワシも入って目をつむると、宙に浮いた感じになる。
人肌温度にぬめ~が効いてるみたい。
飲んでしまえば、内も外も宙になり、私は消える。
気持ちイイ筈ですわな。
庭の曼珠沙華も満開、それではいってきま~す。


9月22日 (日)  [322] クモ

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9月22日雨
台所の隅っこに小さいクモの巣がある。
あそこに虫が飛んでくる事はないように思うのだが‥
一応台所なもんで、食べ物とかあるから小バエぐらいは来る事もあるのだろうか?
でも、エサの喰い滓もないから、ほとんど食ってないんじゃない。
今、目の前の窓の外にいるクモなんかの巣は食い滓がいっぱいあり、飛んで暴れた虫によってできた穴の修復でせっせと働いている。
台所のクモの巣はというと、もうきれい。
あんまり働きたくないんだろうね。
クモにもいろんな性格があるんだろうね。
「あ~今日も客こないわ~
なんか儲かる仕事ないもんかね?
宝くじも当たらんし、あ~あ」
てな、クモだろうな。
知り合いの画材屋鼻デカさんが目の前をよぎった。
この間、画材注文しようと電話したらいない。
全然違う人が出たんで、どこいったの?って聞いたら、店ヒマなのでバイト頼まれ、鼻デカさんパチンコだって‥のんきというか‥
バイトのやつも、鼻デカさんバカだ、といってた。
あのクモもバカなのだろうか?
しかし、このクモ、相方を探さなきゃアいけないだろうから、ずう~ッとここにいてもね‥他のクモなんか、今後こないだろうに‥あ?他のクモが歩いている、これはジグもか?
という事は、ここはけっこう穴場なのかもしれない。
なるほど、クモの道を人間が知るわけないか。
人間は人の道も知らない‥
途中に花が咲いている事も知らず、目的結果重視の点を追う事しか知らない。


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