もりわじん絵日記 2002. 8
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8月31日 (土)  [300] きゃー

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8月31日晴れ
毎日晴れるもんだね。
ハゴロモモという名前だと思うが、よく金魚鉢に入っている水中植物で、細い葉がクマデのようにいっぱい出ているのがある。
メダカや金魚がそれに卵を産みつける。
今朝、ハゴロモモをひっくり返したりしてメダカの卵を探していたら、見た事ないヒルガオの葉に似た小さい葉を発見したので、どこかから落ちてきたんだろう、と思い取ろうとしたら、ハゴロモモの先端に新しく出てきた葉で隣に花芽もついていた。
へえ〜!水中の葉とはまったく違う葉が出てくるんだ、と感心してしまった。
花はどんな花が咲くんだろう?
地面にも、今まで見た事ないつぼみがちらほら出てきてる。
季節は変わりつつあるのかもしれない。
人の気分も季節と共に変化してゆくのだろう‥
それでもまだまだ暑い。
粘土いじりをするのだが、このぐらいの陽気は眠気をさそう‥
クリの木を植えなさいと兄嫁がねだる。
イガが落ちてきて子供に危ないからダメだと親父が言っていたよ。
それは秋だけだからクリの木を植えて欲しい。
いやダメだ、夏場でも実がつかなかったイガが落ちるんだよ。
そんなのほとんどないんでしょ、クリの木植えてよ。
ほんとに危ないんだって、イガは思っているより鋭く傷がひどくなる事もあるんだ。
大丈夫よ、クリの木植えてよ。
いやだ〜‥
新作『たかいたかい』という作品が生まれた。
それにはまりこんこんちきで作りまくった。
夕方、歩いて近所の細い道をぐるぐるまわり変な雑貨屋に入った‥前から気になってた店で、店長とちょいと話してみたかった。
話しても、やはり思ってたとおり、微妙な変さ、だった。
Uア−ヒアという変なTシャツを買った。


8月30日 (金)  [299] 福耳

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8月30日晴れ
朝早くからチャイに何度も起こされ寝不足だ〜
ハス、2週間前1cmに満たない小さいつぼみだったが、やっと大きくなって5cmぐらいなった。
が、まだパッと咲いてはいない、待ち遠しい。
スイレンとかは水面に花芽が出たらもうあっという間に咲くのに‥
今日も青い熱帯性のスイレンが咲いている、もう二つ目だ‥本当は三つ目なのだが、二番目のつぼみがなぜか腐れた。
スイレンのつぼみは固い緑色のガクに包まれ、閉じている時は花の色がかすかに頭から見える程度、ウォーターポピーもそうだった。
なのに、ハスは、守るガクがあるか無いかぐらいに小さく、普通に土から出る植物の花のように花びらがしぼんでいるだけだ‥でもしわくちゃでは無く、作り物のようにはっきりしていてポンと固まっている。
ハスはスイレン科というがまるで違った性質のように思える。
いったいほんとにいつ咲くのだろうか?
朝早いというので目が覚めたら眺めるようにはしているが、いったい何時頃まで咲いてしぼむのだろうか?
さて、ワシの夏休みも終わりだ。
さあ、粘土いじるぞ〜、といじっていると、あいも変わらず左耳がつまっておかしい。
鼻から思いっきり息を吸うとよくなるのだが、くらくらする。
それに息の力加減が難しく成功率が低い。
もうひとつの方法は顔を右に傾けると耳のつまりが消える。
でも、しばらくそうやって粘土をいじっていると作品の顔も傾いてくる。
これではいけないと顔を戻すとまた耳がつまる。
三半規管がバカなって、左右の高さの位置が違ってきたのかな?
まるでふくろうの耳の構造のようだ‥ふくろうの耳は左右の位置が違う。
ワシの耳もふくろうのようになってしまったのだろうか?
ふくろうの耳だから、福耳、なんてね。
粘土いじりもしっかりやり、夏休みの疲れを取るため風呂屋に行く。
1時間もじっくりのんびりゆったり入りました。
これで普段のリズムが戻せた感じだ。
それにしても眠い、チャイのやつ今朝はなんでピーピーないていたのだろう?
といって耳栓はやばいしな‥まったく。


8月29日 (木)  [298] 地べた

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8月29日晴れ
昨日の夜は祭りの縁日を自転車で見に出かけた。
すごい人込み、この町ってこんなに人がいっぱいいるんだ。
沢山の出店が立ち並び人人人で前に進めない。
マヨネーズかけ放題だよ〜の声が聞こえる。
ヘ〜それが売りとは‥味覚がバカなんない?
いちおう神社に15円ぽいと投げデカイ鈴をガラガラ鳴らし手を叩いて頭を下げる。
缶ビールと焼き鳥を買い道端に座る。
いいわ〜地べたに座るのは心地いい。
…人は高い所にいきたがる。
もともと本質は地べただから。
ある時、二本足で立ち上がった、高いビルを建てた‥
そして地べたを忘れ、ないがしろに…
地べたにいると、だんだん溶け込んで自分がなくなってしまう。
インドなどにいった時、よく地べたに座ってぼーっとしてた。
しかしインドなどでは、自分が外国人だから、溶け込んでいなくなったようでも、頑として日本人という金持ってる旅行者で、他と違う文化を持っているという自負がにじみ出てる‥だから、だらだらして土色になっても、だれからも捨てられる事もなく、目立つ‥自立した自由人と勘違いして偽物優雅さに浸れる。
どっこい、ここは日本の祭りの中、何も目立つものがない、ただただ地べたに溶け込んでゆく。
目の上をいろんな人が通ってゆく。
立って歩いていると、活気ある祭りなもんでつっぱった若者やバカ者がいきがって、肩がぶつかれば、それなりのエネルギーが湧き出る。
ところが地べたは、だれもこっちを気にしない、見向きもしない、忘れ去られてゆく、どうでもいい、ア〜自分は虫だ〜草だ〜踏まれても蹴られても何も言えない‥
ア〜ほんとに地べたはいい‥このままここで眠りたい。
そうこうしてるうち地べた人工がどんどん増えてきた‥ここは戦後のドサクサ?インドのカルカッタ?ニューヨークのダウンタウン?‥だらだらだらだらとただ下から人を見ているだけで時間は過ぎる‥空ろになる‥
さあ、植物のように地べたから芽をだし花咲かそう。
今朝は昨日の取材しにきた大コスギさんから電話あり、どうせタウン誌に出すなら、作品を近場に置かなきゃ、といい感じの店を紹介するとのこと。
すごいねえさんだ、話も行動も早い。
という事でさっそく紹介された陶器屋さんへ行く。
ずいぶん前ダンナを無くして一人娘を育て、自宅を好きだった陶器のお店にしたらしい‥これをひとりでやっているとは思えない程、立派な品揃えの店だ。
ここで来月、来る福でそんなに作品がないので小さい展示会を開く事に‥ありがたいこってす。


8月28日 (水)  [297] わじん伝

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8月28日晴れ
ワシが神輿を担いだわけじゃないのに、疲れてますね。
昼頃新聞のタウン誌の取材がくるというので、さっさとやるべき仕事を済ませる。
二人の取材者の方が寿司持ってやって来た。
庭で食事しながら話そうとしたが、今日はやけに暑いので、中で‥
カセットのスイッチが入った。
生年月日、出身は?
と、聞かれたので‥それは言わなきゃいけない?どっちでもいいんだけど‥いやね、それを言うとね大変なことが起きたんだよね、最初の猫展の時。
実はね、ぼく、最初の猫展の展覧会やったとき、そこは東京世田谷三軒茶屋の画材屋さんの2階のギャラリーでね‥そこの内装設計したのは私で、あ!その前に、何で画材屋に画廊を作ったのかっていうとね、今から15年以上前、今日は8月だよね、あ!今日オレの誕生日だ‥ありがとう。
15年ぐらい前、ニューヨークで展覧会やったんだけど、その頃ワテはすごいアーチストだって自惚れの田舎者だったもんで‥あ〜そうそう、ところで、日本ではクラブやディスコやおかまバーなんかで展覧会やってたけど、画廊なんて気取ったところで展覧会などした事なかった‥そんなとこでやるのは凡々だと思ってた‥オイラが、なんでニューヨークのギャラリーに呼ばれたかっていうとね、そう、呼ばれたんだよね‥世田谷美術館で友だちが個展やっているってゆうンで見に行ったんだけど、だれもいやせんので、美術館の喫茶店でひとりコーヒー飲んで本に絵を描いていた‥あのね、スケッチブック買う金もったいないから小説本をスケッチブック代わりにしてたの‥今も残ってるよ。
気分よく絵を描いてたら、となりに座っていたサラリーマン風のめがね七三が面白いと声をかけてきたけど、おいドン、こんなダサイ友だち持った事ないし、うざいと感じ、いつも持ち歩いているピストルでそいつを撃ったんだよね‥もちろん玩具で玉もでない火薬バンバンのやつね。
そいつ驚いて、あんたニューヨーク行かない?っていってきたもんだ。
ますますうざいやつと思ったが、けっこうしつこい。
とうとう部屋まで押しかけてきて、作品見せろと言うンで見せてやったら、ファイルにしてくれって言うんだけど、ヤダって断ったら、借りていっていいか?自分でやるからって言うんで、いらない写真を渡したら‥半年後、ニューヨークのギャラリーから展覧会やるからと呼ばれちゃったわけ‥それで向こうにいったら、展覧会中にギャラリーが内部分裂しちゃって二つになっちゃったもんだからダウンタウンとアップタウンで2回できちゃった‥新聞なんかにも出て、売れたりもしたんだけど‥
と、招き猫わじん伝の話は果てまで続いた‥
大丈夫かな?
インタビューアーどうまとめるんだろう?


8月27日 (火)  [296] 御神輿

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8月27日晴れ
今日はでかい祭りだ。
夜近くから出かけるので、ばんばん粘土いじり励めました。
まずはハックルさんとこ行って車を止め、夕食を食べ、ハックル家族につれられ祭りヘ。
いやいや、いやいや、すごいっす。
担ぎ手何百人は、朝6時ぐらいに神社に行き神輿に御霊を入れ、振りそでつきの白装束になり、厳かに背中に短冊のような紙をつけ、ピンクのはちまきに白いソックス・わらじ、振りそでを丸め襷掛け、380キロもある神輿を屈んだり立ち上がったりしながら左右に揺らす。
山車のトントコピーヒャラと太鼓のドンドンでもうみんな熱気ムンムンの頭パープーのポンポコリン‥
担ぎ手達は朝からず−ーッとやってるので、日中の太陽で肩が真っ赤ッカ。
ひとひとひと‥
がきがきがき‥
ポーッと担ぎ手の汗にまみれたオトコを見る若い女女女‥
そのまま町中を練り歩き、神社に戻るのだが、最後の神社の階段が難儀、一日中担いでいるのでふらふら、最後の力を振り絞り、神輿倒れそうになりながら、人々押しつぶされそうになりながら、夜10時歓声と拍手の中、到着。
いきなり明かりは消され、静かになり、月明かりの中を1メートルの立方体の白い布が現われ、神輿に近づく‥人々は見てはならねと頭を垂れ、白い布は3つの神輿の中心にある御霊‥たぶん三種の神器を丁寧にゆっくりと暗闇の中で取り出し神社に返される。
朝、神輿に神様を入れ、神様に守られた若人が、神様連れて練り歩き、町に福をばらまいてゆく、そんなストーリー。
とてもシンプルなのだが、あの若者達の屈伸神輿担ぎがすごい。
太ももパンパン、神輿の重みで肩ぼこぼこのひりひり、あれじゃアひとりふたり死んでも不思議じゃないのに、大丈夫なんだから、ワシらは神様に守られてるんじゃーというなんかがあるんだろうね。
いや〜ほんとに美しかったッス。
そのあと、ハックルさんとこの力みなぎる手作りでかハウスで、ハックル伝記を聞かせてもらった。
逃亡中の外国人を助けるために車椅子を何十台もその国に寄付して、それをその逃亡オトコの手柄にして罪を消し、そのまま貿易をやったが、金回りがよくなって、
仲間にねたまれ殺され‥‥
今日はバカでかい気を入れてもらったような感じだ‥ありがとさん。


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