もりわじん絵日記 2006. 1
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1月6日 (金)  [1450] 蜘蛛の糸

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 cloudy
さてと、オイラは谷中の母猫から引き裂かれ、カゴに入れられ電者の中。狭苦しい空気で騒音がひどい。こんな空気が悪く我慢しなければならないような移動物体をよく作ったものだよ。ア〜、吐きそうで吐きそうで、小さい身体精一杯泣き叫んだよ。ヌシなどはオイラがビェービェ−泣くものだから、細君のSSに預けてそ知らぬ顔。そうそう、ヌシには奥さんがいる。もともとの名前のイニシャルがSSだから、ヌシの仕事のスーパースタッフということでSSなどと呼んでいる。が、家事はもちろん仕事のほとんどもSSがやっているようなものだ。ヌシなどはいたずらに粘土いじっているか、できた作品にサインをするだけ。サインだけは子供の頃から工夫練習していたらしい、バカだね。オイラの食事だって下の世話だってSSがやってくれている。だからSSの方がほんとうは大御主人様様であるんだけどね。
電車では、ずーっとSSが撫でてくれるので、多少気分も落ち着いたが、この電車の揺れと多くの人間の電波が気に入らん。うるさい猫だなぁ、ウザイ、電車に猫など乗せんなよな、胸くそ悪い女だな‥など。それだけでなくどいつもこいつも済ました顔してつまらんことや身勝手なことの妄想でいっぱい。もっと楽しい電波を出せよ。爽やかさなど微塵もねぇ。ア〜嫌だ、ビェ〜ビェ〜‥。すると、SSの隣にいたおばさんが声をかけてくれて笑顔でオイラを見てくれた。ちょっと地獄に仏、一本の蜘蛛の糸、ひとひらの蝶って感じだったね。そしたら周りの女達がオイラに笑顔を見せるようになった。メスはいいなぁ〜。ここまではまだホモっけはなかったんだけどなぁ‥


1月5日 (木)  [1449] 失恋

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 fine
昨日から恋して失恋してまだダメージが消えぬ遅咲きの狂い咲きのポンポコピーが年始参りに来てて泊まっている。夜中まで、話しは続いていた。しかし、何が失恋なものか。母猫に引き裂かれ、一年後には金玉とられたオイラの身にもなれ!オイラに比べたら、全然、切り傷もいいとこだ、アホや。主人にしたって偉そうなこと口では言っているが何もわからぬただの粘土いじり人。そんなやつに話したってなんもならんのに人間は無駄なことばっかり考えそんな話しで時間を潰している。頭の中をこねくりまわしたって、その頭が迷っているんだから、なんも答えなど出るものでない、何故、それがわからんのか。いろいろビルや乗り物など作って偉そうにしているが、慾濃いだけの動物ということだけで、自分の事が一向に解っとらん。静かにできんものかね。
主、今日は東京の方に年始に出かけた。滅多に外に出ることのない出無精、正月こんな時ぐらいはと三茶を廻り、オイラの生まれ故郷の谷中のギャラリー猫町で新年会、大いに騒いでド疲れ様で帰ってきた。


1月4日 (水)  [1448] 残酷

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 fine
ホモ。こうなったのも、だいたい、江戸っ子のオイラが生まれてまだまもないたった19日で、母猫から引き裂かれて関東平野外れのこの田舎に。19日っていえば、まだ歩くのだっておぼつかない、目を開けたばっかり。ウンコだって、母親に舐められていて、自分じゃなんもできない。ひどいと思わない?残酷だよね、人間って。それでいて、口では可哀想などと偽善者もいいとこだ。人間の母子がこんなふうに引き裂かれたら、大事件、人でなし、悪魔、鬼、人非人、魑魅魍魎、犯罪、涙涙の物語。とんでもないことしてよく平然平気なもんだ!もっとひどいのになると主人の知人ぬっペらちゃんとこの猫の歌磨呂なんか母猫に引き裂かれるだけでなくすぐに金玉とられちゃったんだよ。可哀想に。人間は人間同士で善悪を分けているけど身勝手な都合のいいもの。オイラ達にひどいことしておいて「まあ、可愛い」などとよく言えたもんだ。心がチグハグだ。


1月3日 (火)  [1447] 49

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 fine
夏目漱石は49歳で永眠、オイラの主人も今年49歳。そんなところにも感ずるところあったんだろうね。猫先生とかとも呼ばれているから、猫つながりだし。あらっ!アハハ「とかとも」って変だな。とかとも、とかとも‥
今日は昨日と打って変わっていい天気だ。
オイラ触られるのが嫌いだって昨日言ったけど、ほんとにダメなのさ。この間もピザレストランの梅さんと虫カメラマンが来た時、梅さんに抱かれてしまった。初めのうちはぬくぬくしているから気分がいい。でもな、そのうち、なんだかわからんが腹立たしくなってきた。オイラがいたいようにいさせりゃいいのに、妙に撫でててくる。苛ついて引っ掻いてしまった。そしたら「なんで怒るの?」と優しくする。それがまた気に入らん。バカにしてんじゃねぇ、オイラは男子だぞ。猫を甘く見ちゃいかんよ。今度は顔めがけてほっぺた引っ掻いてやったさ。目をやらなかっただけ幸いと思え!女の子だって引っ掻く。ずいぶん前にヤギ女が来て「かわいい、かわいい」と言って抱くので結婚前だろうが顔を引っ掻いてやった。どうせもう結婚は無理だろうけどね。でも、オイラはどうも主人だけは引っ掻けない。やつは抱き上げた途端にオイラの首と耳を思いっきし噛む。痛いのなんの!嫌で逆らおうとするが、逆らうとますますひどく噛む。そのうち噛むのにハマって頭とっちらかっておかしくなってしまうのか、身体中どこでも噛み始める。その後、頭頂部をなめる。すると、なぜか心地よくなる。オイラ、ホモでマゾヒストかもね‥


1月2日 (月)  [1446] イゴ

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 rain  
で、なんで猫の儂がこんなこと語っているかというと、‥儂じゃなくオイラにしよう。オイラの主人わじんだな、主人と言うより友達、ダチだけどね。まあ、メシ食わしてもらっているから主人と言っているが、おれ達猫がいての猫作家さんなわけだから、ほんとは五分五分。
その主人が初夢見まして、それが大泣きするほどの大感動だったらしい。一緒のベットの中のオイラもダチの震えで目が覚めたくらいだ。ダチ、目が覚めてからもその初夢は夢を超えて夢と現実の境なく続いたらしく、そのまま「夏目漱石の『我が輩は猫である』だ!」と叫んで、オイラに絵日記バトンタッチと相成ったわけですな。これで楽になった、ヤッタ−!って主人は喜んで、アトリエの神棚の壁画を描き始めた。何かすごい事を発見したらしい。ほんとかね?ちんたらちんたら絵日記書くのそろそろ飽きていたんじゃないの?いつもの事だからたいした事はないと思うがね。主人はいい加減が息してるようなやつだから、どうせ言い訳こいて出鱈目になるだろう。
で、今のところオイラがしゃべるわけですな。オイラの事を儂にしようかと思ったがジジ臭い。私って柄じゃないし、僕っていったら人間になめられ撫でられる。オイラ撫でられるの好きじゃない。東京は谷中の生まれだから江戸っ子、2才半。人間でいえば27才ぐらい、気安く触るんじゃねぇ、オイラにしたわけだ。


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