1月23日 (月)  [1467] 示現

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つらら君がやってきた。寒い朝早くに車も入れない山奥に出かけ、噴霧器でつららを作っている変わり者だ。今日はわじん選手が持っている杉本博司氏の作品集を見に来た。つらら君、この間六本木のバベルの塔にこの作家さんの展覧会を見に出かけたのだ。わじん選手はその昔アメリカに戦いを挑みニューヨークで展覧会したが、人種問題もあったのだろうか、日本人アーティストとしての誇りを見失い絶望していた。そのままジャマイカでジャンキーに落ち、人としてどん底。ニューヨークに戻り、まったく偶然に入ったギャラリーで杉本氏の作品を見かけた。大感動ショックで、それで、日本に帰る決心をしたらしい。「これ、始めてみた時は、すごかったよ。オオオォォ!と画廊で大声だしたいぐらいの感動だった。もしかして初めてのアートショックではないだろうか?ちょっと大袈裟かな。いったい誰だ、この作家は?とギャラリーに尋ねたら、なんと!杉本博司、日本人ではないか。この作品は個人も人種も国境も超えていた。時空間とんでいっちゃった。この快感は示現だね。なんやかんや言ったって、このショックが大切かな。で、自分の中からこの時に似た衝撃が走ったのは、それから6年後、猫神様作った時。あの作品だけど‥」壁にかかった猫神様の写真を指差しながら。「儂の場合は杉本さんのような美術という知的ゲームの舞台ではなく、どういったわけか知らないが運良く頭から降りてきてハート辺りからニャンニャン界へ噴出しちゃったみたい」頭パープ−だからね。「知らない世界だったから、え?これが儂の舞台かよ?と最初は面喰らったが、まあ、こういうもんは仕方ないもんでlet it beなるがままっすよ。生命形態作家なんていかがわしいわけわかんない肩書き名乗っちゃってね。生死、愛っていうかさ。性に合っていたんだろうね。猫神様生まれ出た時は、裏の丘が花畑に変わり枯れ木に花が咲き、儂が歩いている道の後ろに花が咲いて、鳥が飛び交いチュンチュン、香しい香りが漂い、馬も鹿もやってきて踊り、歌を歌い、何もかもが光り輝き、サンサン、ハッピーハッピーランランラン‥」「変なキノコでも食ってたんじゃないっすか?」人間はこうやって夢物語や自慢話で時間を潰す。