もりわじん絵日記 2003. 4
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4月2日 (水)  [503] 死の静寂

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今朝は小雨パラパラ。
花姉さんと近くのカタクリの花群生を見に行こうと思っていたがやめ。
雨に濡れた庭を眺める。
桜と花モモの花がちらほら咲き始め、コブシの白とピンク、モクレン、杏、ピンクユキヤナギと咲いているからなんとなく花盛り。
雨に濡れた花々は色がくっきりしていて、とてもいいっす。
昼から花姉さんがやってきて和室に閉じこもり、渾沌さんの棺に花を飾る。
チョチョチョットで終わると思っていたが、なかなか出てこない。
できあがるまで見たくないので放っとく。
今日は猫の実なるものを粘土いじりする。
和室の戸が開く音がしたので、終わったかなぁと、思えば、トイレ、また籠る。
もう夕方7時になった。
ずいぶん集中力のある人だなぁ〜‥と、思わせておいて、まさか、寝てたりして。
普通一回ぐらいお茶でも飲みに来そうなもんだけどなぁ‥ほんとに寝てンじゃないの?
そーっと、チョットだけ、外の窓から和室を覗いてみる。
動く姿が見えた、ほんとにまだやってんだ。
こりゃア、いいの期待出来そう。
気分よくなったので、不思議ないい猫の実ができた。
花姉さんもようやく終わる。
さーて、棺から植物が飛び出し天まで昇り広がり猫の実がなる風景を頭の中でイメージしてたが‥ん〜、植物がまだまだ足りないな〜
取り敢えず、今日はこのままガラスのフタをして‥
オオオオ!フタしたら、美しい!
見事に引き締まり、静寂が訪れた。
これが死の、葬式の美しい静寂だ!
バッチグーです、さすが現場、頭のイメージは消えちゃいました。


4月1日 (火)  [502] 渾沌猫の実

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藤のつるはなんでも巻き付いてワヤになるとアタゴールのヒデヨシ兄がいってた。
そんなに早く育つなら嬉しいなー
大体、藤の種などは蒔いて花咲くまで20年かかるんだって。
ほんと自然界のものっていうのは忙しい人間の気持ちからするとのんびりですね。
人間のやる事なんて大抵経済がどうのこうので焦ってるから短期間だ。
‥スピード狂でかっこいいだろう、といっても自然界のウイルスや微生物のスピードにはついていけないからたいした事はない。
17年蝉というのがいて普通の蝉が土の中に幼虫として7年いるのに、このセミ17年もいる。
これを観察した人がいるから、この人ものんびり自然体だね。
ビクトリ・エリセは映画を一本撮るのに10年かける‥『マルメロの陽光』というほんとの絵描きさんの日常を撮影した映画あるんだけど最高にいいっすよ。
ガウディはサクラダファミリアを300年かかるってのに建てようとした、大自然体だね‥まだ出来てないけど。
自然としての人間だって実がなるのに20年ぐらいはかかるわけで、猫のように生まれて数カ月で子供生みたいとは思わんだろう。
チョットずつの成長が面白いからね。
ところが大きくなるにつれだんだんと結果を求めよう出そうと焦るようになる。
これは自分が死ぬ事である自然の流れに耐えられないから、早く知りたい見たいという頭肥大症。
自己が無くなる恐いという知識への執着、人間本来の持つ時間感覚を狂わすウイルスみたいな思考に犯されてるんだよね‥これって、ほんとウイルスのように蔓延するから困ったもので、大人はみんなそう、最近は子供にまで植え付けるものだから犯罪も大人並み。
今のこの風景に感動できずに、イメージした未来ばっかり思い描く現実逃避。
その結論を求める焦りが、エ〜イ、面倒だ、戦争して早く済ませようぜ、となる。
とにかく美しい木々は、何か月や何年かで実のなるものではない。
自分が生きているうちに見る事が出来ないかもしれない。
‥なのに、なぜ、種を蒔くのだろう?
やはり毎日毎日の微妙な成長が心地よいのだろう。
2500年前、渾沌は死に種は蒔かれた。
500年前、招き猫の種は蒔かれた。
今、二つは花が咲き、受粉し、実になる。
みなさん、渾沌猫の実を食べに来てね‥今月29日からです。


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