もりわじん絵日記 2004. 1
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1月21日 (水)  [768] 釘抜き

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はれ、工事三日目。
ホコリ山ほど吸ってるなぁ、そのせいか、喉が痛い、この前とは別の奥歯の歯茎がはれている、寒気もする。
精神が落ち着かないんだろうね、寝不足と慣れない労働。
風邪でも引いたのかな?ヤバイな〜ワシ風邪ひくと何日とノリが悪くダウナーな考えをして脳が働かない。
こうやって思うのは、被災地の人たちって大変なんだろうね、どこいたって落ち着かない、トイレだって風呂だって落ち着かないもの‥
解体は終わったので、今日から大工さん。
昨日までとはまた違う人種って感じ、みなさん無口で落ち着いていてキメが細かい、やはりミリ単位でものを見ているからだろうか?
ややダウナー気味の今日のワシにはちょうどいい。
大工さん曰く、この家は総ヒノキでできていて、床下の束や大引きなどもいたるところヒノキらしい。
え!なんでわかるの?
確かに匂いを嗅いでみたらヒノキのイイ薫り。
昨日解体の時、太くて長い木は釘を抜いて取って置いたが、他何十本と捨ててしまった!なんと、勿体無いことを‥
小さい木だって細かくノコで伐って袋につめて風呂にでも入れれば、ヒノキの香りで最高なのに‥
ン〜柱や梁はヒノキだってこと知っていたが、壁や床が合板や壁紙などと安普請なので、まさか見えないとこまでヒノキとは思っていなかったのだ。
この家は、基礎と構造は他の家になくしっかり造ったんだね。
ところで、大工さんに正月に拾ってきた木は何か聞いたら、分厚いのはヒノキ、板は松、松は磨けばとっても美しくなる、って。
大工さんなるもの、木を見ただけで何の木か解るってのがすごい。
感心してしまった。
ひとついいこと教わった、頭のない釘や錆び付いて抜けない釘の抜き方、試しにやってみたら見事に抜ける、すごいもんだ!
それにしても、寒気がするわ、ハヨ寝よ。


1月20日 (火)  [767] ノラくろ

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はれ、工事2日目。
朝もハヨからビニールハウスのストーブに火をつけヤカンをかけ門を開け体操して朝風呂入って、昨日のわけわからん埃まみれの疲れを取る。
さて、今日もガンバンベ〜
人を頼んでやっているとはいえ、けっこうワシも一日中バリバリ壁剥がしたり、使える木材などあったらなるべく長くとっておき、釘を抜いて積み重ねる。
断熱材がわんさと出てきたのを1ケ所にまとめる。
埃がすごいので、時々水を捲いては掃除をする。
トラックに積んだ廃材を捨てに、汗かきながら投げ下ろす。
解体若者や変わり者に午前10時と午後3時にコーヒーを出してバカ話しをする。
今日もやってきたノラくろ君だが、27歳。
上の前歯が8本程ないので、シンナーでもやっているの?と聞いたら、シンナーは若い頃に止めたらしく、この前歯は折られたもの。
若い頃、暴走族をやっていてケンカで鉄パイプで殴られ、前歯全部折られ、目の上の頭蓋骨も何ケ所か折れ、その時乗ってた400ccの新車のバイク、そのままそいつらに盗まれてしまった。
その後もバイクに乗るが、今度はひき逃げにあい脊髄を折り、犯人は未だ捕まってない。
最後に少年院に入れられ、更生したとか。
少年院では、いろんな技術を身に付けさせてもらったので、今役立っている。
笑うと目がピカピカして、剃ってはいるのだがヒゲ跡が濃く、前歯がないので可愛い、ほんとノラくろと似てる‥作品になりそうな顔だ。
今日始めて来たもうひとりの若者は二十歳前で、中学の頃は時に親父狩りもやったらしい、だって‥
なんと、まあ〜
今日はきれいさっぱり床が無くなった。


1月19日 (月)  [766] 縫合

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あ〜雪だ!!
今日から工事始めなのに、雪が降ったんでは、この狭い道路にトラックは入れない。
朝早く、雪掻きしてたらハックルさんが解体屋ぞうさんとノラくろさんを連れて、車がすべって通れないと歩いて坂道をやってきた。
イヤ〜すごい人がやって来ましたね。
体重120キロ、バール1本、電ノコと素手でバリバリと天井から壁から剥がしてゆく。
手の平をさわってみたが指も平も固くてつねることができない、丸で足の裏!
解体、簡単そうなのでワシもやってみたが、けっこう固い重い、かなり力がいるし足だってふらつく。
それに床の上は釘の突き出た廃材でいっぱい。
やっぱ、ワシ素人、ふらついて釘踏んでしまい、長靴の底を突き通し足まで刺さってしまった。
チョットだけ、針でチクッとやった程度で助かったが、やばいわ。
昼飯の時、ぞうさんによく素手で怪我しないで上手くやれるもんだね、って聞いたら、とんでもない傷や事故の話をわんさとし始めた。
すごかったのは、太ももをカッターナイフでパクリと切ってしまい、これでは仕事ができないと自分で、針と糸で縫うことに‥
ところが針を刺そうとすると太ももの筋肉がしまって全然刺さらない。
なるべく刺しやすい所を探すと傷口からかなり離れてしまうがしょうがない、そのまま縫う。
針はそんなに痛くないが、木綿糸なのでズリズリ通る時はさすがに痛かったと。
もし、縫うなら木綿糸ではなく釣り糸のテグスにした方がいいよと奨められてしまった。
‥ところで、ぞうさん、このごつい身体していつも針と糸を持ち歩いているのだろうか?
雪はそうでもなかったので、夕方、トラックで廃材を捨てに、今日はここまで。
中を仕切っていた壁が無くなったので、ガラ〜ン、風通しも見晴しもいいわ。


1月18日 (日)  [765] 空っぽ暮し

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天気よし。
昨日降り積もった道路の雪掻きをしてひと汗かく。
陽が射していて、青空、真っ白い雪、あ〜雪国の春先のような心地よさです。
朝から歯医者さんとこにいく。
去年抜いた親知らず、忘れもしない枕血みどろで大変だったあれ。
あの場所とその手前の奥歯の間ぐらいの歯茎に膿がたまっているみたいで、治療してもらう。
今回は前と違う歯医者さんにした。
痛みも消え、スッキリし、帰って風呂でも入ろうと思ったが、またなんかあるといけないので風呂は止め。
さて、アトリエからっぽだ〜
昨日歯が痛いのに張り切っておおよそやったので、今日は残りチョチョイのチョイだろうと思ったが、そうはいかない。
ろくろに、窯、冷蔵庫、食器棚と大物がデ〜ンと居座っていて、ドア外して運ぶのだが、それらをどこに置くかで、また難儀。
夜までかかった、とうとうアトリエも台所も中身なんもなくなり空っぽです。
生活できるものはほとんどビニールハウスの中に収まった。
なんか、ビニールハウスで生活している雰囲気、イイわここ、寝る時だけ家に帰ることにしようかって感じだ、ビニールから透けて庭の雪もなかなかきれいだし、アウトドアのテント暮し、気持ちいいっす。
ってことは、家なんて寝るとこさえあって、あとは庭、そこに草木と同じようなテント小屋作って遊べばいいんだね。
終わった終わった、歯も治ったし、久しぶりにビールだ!


1月17日 (土)  [764] 芥川賞

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あら、雪。
ビニールハウスの屋根の上の雪を融かすために中にストーブを入れ暖かくする。
雪は小降りだが、あなどれない。
夜からすごくなるといってたから、今のうち少しでも融かしておかないとね。
今日は、ビニールハウスの中でコーヒー飲みながら、床暖房士と打ち合わせ。
いろいろ変更があったり予算がどうのこうので、話がまとまったのは午後3時。
話している間にテントの雪は融けビニールを伝って流れる‥けっこう効果あるものなんだね。
さあ、アトリエをカラにせねば。
なんとなくスッキリと片付き、後は明日。
夜は、雪の中、歯医者さんにいく、けっこう美しい雪景色です。
ところで、とても吃驚仰天の事がある!!!!
なんと、今回芥川賞とった金原ひとみさんってのは、ワシが食えない時代に時々作品買ってくれて面倒見てくれた人の娘さん!‥この間なんかここんとんを買ってくれた。
名前が同じだから、まさか金原さんとこの娘さん?、じゃないよナ、などと話してたのだが、金原さんに確かめてみたら、ほんとだった。
何年か前、登校拒否かなんかでどうしようって金原さんからちょっと話があり、自然と触れ合うために粘土でもいじりに遊びにおいでヨなどといってた、子が!もう二十歳!で、芥川賞!だもん、ビックラこくわな!
イヤ〜他人事ながらなぜか嬉しいっす。
芥川賞といえば、町田康も辻仁成も20代の頃の知り合いなのだが、彼等が受賞した時なんかは、別に、歳食って汚れ放題だから何でもなかった。
今回は違ったね、やっぱり新人賞なるものは、無名の若い子に限ると思ったね。
‥80歳のおばあちゃん受賞ってのもいいけどね‥
そういや一昨年だっけ?岡山のアートガーデンという所で七大招福猫展という個展やったけど、そこの絵日記[221]に描いた心の広いおばあちゃんがひとみちゃんのおばあちゃんなんだよ。
いやいや、とにかく、おめでとう。


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