もりわじん絵日記 2011. 3
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3月16日 (水)  [3334] 地震 金魚

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 金魚は池と水風呂の二つに分けて入れてある。池のはワキン系で強いやつら。春まで大丈夫と思う。タンチョウや出目金などのふらふら三尾系は弱いので家の中の水風呂にしたのだ。地震の時、後で知ったのだが、一緒に水風呂に入れておいた熱帯スイレンの土がめちゃくちゃに散らばり水はかなり濁っていた。改めてすごい揺れだったんだなぁと思った。


3月15日 (火)  [3333] 公美堂93

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 思い出したが、あの時芹沢くんはたぶんその域にいたのだろう。
 ある晴れた日の夕方、銭湯の帰りに二十歳のまま成長して幾つになったかわからない芹沢くんと道でばったり会った。「ちょっと、飲みませんか?」と酒に誘われた。なんとなく元気がなさそうだった。「頭の中に何人も人がいた事はないですか?」と酒屋への道すがら芹沢くんは頭のてっぺんの髪の毛を右手でむしりながら言った。「いるけど、右か左か示すせいぜい二人ぐらいかな。何人ぐらいいるんだ?」と聞いてみた。「50人ぐらいかな」とむしった髪の毛を白いシャツの胸ポケットに入れた。


3月14日 (月)  [3332] 地震 猫

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 6匹いる中の2匹の猫が地震の最初の大きな揺れでどこに行ったか解らなくなった。家の中でいつもいるようなところを探したがいない。もしかして怖くなって外に出たのだろうか? しかし外に出た形跡はない。やっと探した。なんとなかなか入り難い狭い机の下でじっとしていたのだ。僕らも地震の時は机の下にもぐれと小さい時に習ったことを思い出した。ところで被災地の飼い猫や野良猫はどうしたのだろう? 犬は飼い主が抱きしめている映像をいくつか見たけど‥‥ 


3月13日 (日)  [3331] 公美堂92

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 その時、空から冷たい雨が、内部に心にアーメンが降り注ぐ‥‥クリスチャンでもないのに。天の四方八方から雨の音に混じり幻聴かもしれない大勢の声が同時に語り注がれる。「壁は必要だ。なぜなら死を遠ざけるから」「壁は不必要だ。なぜなら真実を遠ざけるから」「死は怖がるべき対象ではない」「空を飛べばイカロスの墜落」「死は遠ざける対象でない」「美しいバラには刺がある」「死は近づく対象ではない」「海の深淵を見る。呼吸ができない」「死は微笑むべき対象ではない」「外面は内面である」「死は必要な時に、向こうからやってくる」などなど。『ファザー達』の声だ。とうとう『二十歳』は地獄『バッチィ』をくぐり抜け悟り天国の神々『ファザー達』の域に達したのだろうか?


3月12日 (土)  [3330] 地震後日

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 地震の映像はTVが見れないので知らない。こういう時のために手動発電のラジオぐらいあった方がいいなと思った。電池のラジオは電池がなくなるし、コンビニの電池は売り切れだそうだ。会った人の話しだけだとあまりリアリティがないから笑い話にしてしまう。
「もう余震ごときでビビるわけがないから、おい地震!、どんと来いよ」「やめなさい」「何言ってんだよ。おれの呼び声で地震が来るわけないだろう」「そんなことない。牡蠣食って当たったから、その牡蠣の取れた海で地震が起きたじゃない」「えっ??、この地震、おれのせい」
 二日目の夜、やっと電気が通ったことに感動した。早速TVを点けた。なんと凄まじい映像が目に入ってきた。目を見開いたまま唖然とした。目を覆いたくなるような光景。そんな映像の中に二日ぶりに助かったおじいさんが笑顔で明るく放った言葉が美しい。
「さあ、また再建しましょう」


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