もりわじん絵日記 2011. 3
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3月21日 (月)  [3339] 公美堂96

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 芹沢くんは『二十歳』のまま歳をとることを止めたから、もちろん社会人になるなんてとんでもないこと。そんなのはとうの昔に止めている。社会人とは大人だ。子供だった者がいきなり大人になる。強制的に大人になることを強いられる。ちょうど「なんか身体が大人かな?」っていう頃合いの者にとっては順調に事が運ぶだろうが、皆が皆その年齢で精神も肉体も大人になるわけでない。身体的にも陰毛が生える時期だってそれぞれだ。精神ならなおさら違いの幅が多種多様だろう。それに子供が大人になるという出世魚のような名称が気に入らない。その出世という方向が単一的だ。


3月20日 (日)  [3338] 地震 招き猫

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 これが地震で落ちて壊れた骨董の今戸の招き猫です。ボンドで着けて直した。直したこの招き猫を見てて思った。なかなか精悍な良い顔をしている。もしかして僕の作った招き猫やその他の家財をこの古い招き猫が救ってくれたのではなかろうか? 東北も早めに直さなければならない。


3月19日 (土)  [3337] 公美堂95

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 内部に行くべき方向が数個あるなんていうのは芹沢くんに限ったことではない。誰だろうとやりたいことの選択肢が多過ぎてこのようになる場合がある。若い頃ならなおさらだ。一般的には選択肢が少々多くあろうとまとめれば二つぐらいに絞れる。その二つにしろ大きな意味では出世のような上昇志向で、どれもこれも同じ方向を向いている。親の脛をかじっていた学生を卒業し社会人になる時にこのような選択を迫られる。好きなことやって暮らす、もしくはとにかく好きでもない仕事をする社会人になる。人はここで上に行く気配もない上下左右もない漠然とした夢や憧れに蓋をして諦めという新しい苦みを頭の中に入れ方向を定め社会人になる。


3月18日 (金)  [3336] 地震 大雪

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 今回の地震と関係しているのか、しないのか、二日前の大雪は今回の冬一番の量だし長い時間降り続いていた。あっという間に壁は雪で覆われ、捨てても捨てても降ってきていた。それに雪質が水っぽく重いし滑りが悪いから2倍の力がいる。両腕のテニス肘が悪化してしまった。節約節電しているから節行動に節力しようと思っていたのに‥


3月17日 (木)  [3335] 公美堂94

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「50人とはすごいな‥」と芹沢くんのシャツの胸ポケットを見たらポケットの表面が灰色にくすんでいたからずいぶんたくさんの髪の毛が入っているのだろう。「そうなんだ」と芹沢くんはまた頭のてっぺんの毛をむしった。今度は頭のてっぺんに目を移した。いびつに丸く禿げていた。けっこうヤバい状態にきているようだ。「彼らは勝手にいろんな事を言う。困ったことにどの言葉も正しい。まるで反対のことを言っているやつも同等に正しい。どれを信じていいかわからない。どっちに向かって歩けばいいかわからない。何をすればいいかわからない」とずいぶん深刻に悩んでいた。『ファザー達』の声が内面で騒いでいたのだろう。


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