もりわじん絵日記 2002. 4
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4月14日 (日)  [183] 輪廻

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4月14日はれ
とってもいい天気です。
庭で、ドードー鳥に餌をやる。
ふと、錦木を見る。
まだ葉が出てこない。
近づいてみると小枝が枯れている。
どうしたのだろう?
デッキを作るとき根を傷めてしまったのだろうか?
ここの家を始めて見にきた時、この錦木の葉の大きさと紅葉の美しさに驚いて、ちゃんと育てるとこんなにも立派になるんだなあ、と感心したのだが‥
錦木の新緑もとってもきれいなのに‥
とにかく枯れた枝を切ってやる。
あ!僅かながら根元の方に新芽が胴吹きしてる、から、本体に異常はないな。
でも、心配だ。
植物は何も言わないから‥
昼過ぎ、ドードー鳥を空に放つため、車でそのあたりをひとまわりして公園に。
ドードー元気でね、もう絶滅して仲間いないんだから体大事にね。
帰ってから、頼まれた作品を粘土いじりする。
それから夜になって、親父を喜ばせてやるべ、といなかのふくふく猫の看板の下書きをする。
けっこういい感じにできそう。
これで明日から再び個展に向けて始動です。
性格上、からっぽにならないとすっきり創造降ってこないのです。
……死んでもからっぽにならず、寝てもからっぽにならず、何かにこだわり、また生まれ変わっても、また目が覚めても、同じようにこだわり捕われスッキリせず、さまよい苦しみ、何度も何度も同じところをぐるぐる回り、自己正当化し同じ過ちを犯す、これを輪廻という。


4月13日 (土)  [182] ドードー鳥

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4月13日ややはれ
久々に長く寝たようだ。
と思ったら時計が止まってた。
何だ、いつものとおりじゃん。
でも、深く寝た感じがする、それだけだが心地よい。
庭に出て、昨日エカキルームから持ち返って、よくよく考えたらこんなもんいらんではないか、を燃やした。
芝生も青々としてそれらしくなってきたようだ。
今日は陽が射したり曇ったりなので、庭の緑が目立つ。
粘土いじりをする。
なんかギゴチナイ、いつもの手際さがない。
今週は、バタバタと違う頭や筋肉を使ったので、いまいち粘土感覚がつかめんのだろう。
夕方近く、心臓爆発したドラマーのドードー鳥がつがいでやってきた。
まだ僕がエカキ始めたばかりで、夜中パン屋のバイトをやってて知り合ったやつだ。
バンドをやっていて、顔は少女マンガに出てくるような目がキラキラ歯がピカリ、肌は透き通るような白で、腰まであるようなまきまきの長い髪、足が2メートルぐらい長い。
36歳の頃、ドラムたたいている時、いきなり心臓の大動脈がブチ切れて20分死んで生き返ってきた。
その後スローになり、すべてがトロい。
なんか質問しても答えが返るまでに、庭でものんびり眺め、きれいな花だなあ、あ!また蟻の巣が‥ひとまわり回って返ってきて、イスに座りお茶を飲んで、ちょうどいいぐらい。
ちょっと長い話になると、いったい何の話をしていたのかこっちも忘れるし本人もわかっていない、話に落ちはない。
時々鼻を垂らす。
だから、彼は遠くから見られる存在だ。
夜メシ食っててもいるだけで、いない。
どっか他所の時空を歩いている‥たぶん、とてもゆったりと‥
‥止まっているような天空の星星のように静かに輝きながら‥


4月12日 (金)  [181] エカキルーム引っ越し

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4月12日雨のち曇り
昨日はエカキルームの引っ越しの為助っ人ワンタと共に東京へ。
ワンタ、こういったぼろい建物や町並みが好きなんだそうだ。
ここは特に絵を描くためだけに改造してあるから、なおのこと気にいったみたい。
‥なくなっちゃうけどね。
壁はちょいと斜めのベニヤがはられ白に塗られ、床は飛び散った絵の具で厚くなりコンクリートの打ちっぱなしのよう。
ホントは土壁の畳の6畳間なのに。
台所は板の間で洗い場がタイルばりになっていていい雰囲気。
オオ!!ジャパニーズエカキノアトリエデスカ?ワンダフルデス。
荷物を詰めながら出て来るいろんなものに、あ!懐かしい、などと思いがよぎる。
二十歳からここに住んで、血気、野心、性欲、好奇心、バカ、アホ、デタラメ、ジャンキー、冒険心旺盛な20代を過ごし、絵を描きまくり、夢叶わず、押し寄せる現実につぶされかけた、その時、思いもしない招き猫で、このアパートから出ることになる。
ここでの15年間は猫の花を咲かせるための肥料づくりみたいなものだったのかね。
天井裏に昇り押し込んでた絵やなんやかんやを出す。
ずいぶんいっぱいある。
よくまあこんなに描いたもんだね、呆れ返る‥
手伝いの友だちが二人来て、遅くまで25年前のホコリにまみれ、くしゃみは出るワ鼻水垂れるワ咳き込むワ体中灰色。
やっとだいたい片付き風呂屋へ。
あ〜〜〜〜いい。
それからビールのんでメシ食って寝たが眠れん。
今日は早くから最後の片づけをし荷物を一階におろす。
雨も上がり昼前にマエノッチが車でやってきた。
ギリギリに押し込め積み出発。
一息。
到着して荷下ろし、夜まで後かたづけ。
あ〜疲れた。


4月10日 (水)  [180] 関係

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4月10日曇り
あら?いつのまにか、塀が少しできている。
なかなかいいじゃん、雑木林みたいで。
やっぱ、ぐるっと全部しよう。
これで「猫嫌いだけど、あなたの作品は誰よりもわかる」と言った隣の親父と顔会わすことも少なくなってしまうだろう。
…「誰よりもわかる」と言うのは、自己アピールとはいえ自惚れです‥本物見たことないくせに。
面倒な付き合いは神経がすり減る。
僕にとって人情的な人間関係は基本的にどうでもいい。
本音から逃げるための建て前に過ぎません。
精神が二つに分裂してしまいます。
建て前の為に神経をパキパキしても何も実りません。
売名や自己アピールも本質を見失う源です。
それらは二の次です。
自然にさわやかにいこうぜ。
……寂しさから逃げて嘘っぽい人情的人間関係をいくら作っても寂しさは消えません。
かえって精神が分裂しぎこちなさが生まれ疑り深い精神になってしまいます。
この精神構造も寂しさの性質です。
売名や自己アピールも寂しさの別の呼び名です。
こんな関係や主張ををいくら繰り返えしても寂しさは消えません。
なぜなら人間関係とは寂しさを土台にしているからです。
人間関係とは寂しさと共に成り立つ幻なのです。
寂しさから逃げず、事実をありのままに見れば‥
いったいそこに寂しさなどあったのだろうか?
はじめからなかったのではないだろうか?……
心に建て前という塀をたてず、ワシは家の周りに塀を建て前てしまいました。
それにしても今日は、この3日間の親父との人情関係で神経ボロボロ、ひどく目眩吐き気がします。
本当にいい関係とは?


4月9日 (火)  [179] ギャラリー

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4月9日雨
大変でした。
どっと疲れました。
7日朝早くに出かけ天童の駅につき、NEWギャラリーまで歩いてみる。
何年かぶりに見る風景はまったくわからん。
ずいぶん変わってしまったのか、それとも僕が忘れてしまったのか。
そばや近くなってきて見覚えのある風景を目にすると心踊る。
電話では空間は出来上がったから作品を飾るだけでいいはず。
ところがどっこいさすがのトンでもない親父、棚はない、照明はない、ガラスも床もよごれっぱなし、ロールカーテンは長過ぎる、などなど。
これでも0から始めたから、かなり出来上がっているのだろうが、作品を箱から出すことはできない。
ア〜〜〜何難だ!帰るぞーと怒り呆れ頭の中で雷がなる。
親を叱るのは忍びない、辛くなる。
親族や友人と仕事するのはまずいこと知っていたのに忘れてた。
お互いが頼ってしまい返っていざこざの元、にっちもさっちもいかなくなる。
しかし、とにかくやらねば、引き受けてしまったんだもん、あ〜あ。
まずはケースや台などの配置を決め、ガラスを磨き掃除等諸々をぎゃあぎゃあ文句言いながらやる。
夕方照明器具を買いに行き、夜それに猫を描く、ロールカーテンを短くしミシン掛けなどする。
なんで温泉街に来て大好きな温泉にも入らんデこんなわけわからんばぶばぶ親父の介護をしなくっちゃならんのだ〜と寝る。
気持ちのわるい夢を見た。
8日朝早く大工さんが来たと親父に起こされる。
ほとんど眠れんかったわい、まったく。
棚をどうするかを話し合い、材料他本棚や臼などを車に積んで現場へ。
こんなもんはおいらがくる前に運んでおいてよ、あ〜筋肉が‥
寝不足と呆れ返りで腹の具合もわるい‥けど、ギャラリーは着実に出来上がっていく。
昼過ぎ大作を持った風呂猫スタッフ4人がやってきた。
そばやでそば食いながら挨拶。
みんなに手伝ってもらって、やっと作品展示をおえる。
しかし、こんなにいいギャラリーになるとは想像もしなかった。
谷中のふくふく猫の2倍はある広さ、風呂猫さんらも喜んでくれて、やっと温泉につかりビールで乾杯、親父さんもばぶばぶ御機嫌。
しかしばぶばぶ親父、作品の扱いも包みかたも名前も値段も覚えようとしない。
面倒なことは聞こえないボケになる。
ちゃんとやってくれよ、ばぶばぶ親父、もうワシ介護できんからね。
こんなにいい空間なんだから、閉めないようにしてね。
と夜ふとんに入るが、注意事項が思い浮かび今日も眠れん。
9日朝、雨の中温泉プールに入ってからマエノッチの車で東京へ。
あ〜ホント疲れた、もう知らん。


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