もりわじん絵日記 2001. 11
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11月30日 (金)  [60] 老猫

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11月30日
雨後で暖かい、晴れ
朝、庭の木々の枝落としをやった。
昨日、庭の木が電線にかかっているというので、町の役場に聞いて安く切り落としてくれる所を紹介してもらい、そこのおじさんが来た。
そん時、木についていろいろと学んだ。
それで今朝、忌み枝を切り、他の枝に栄養がゆくように枯れ枝を落とし、陽が満遍なく当たるように枝透かしをやったわけさ。
時期的に木があんまり栄養をすわない今がいいのです。
木を育てるというのはなかなか手間がかかるものなんですね。
でも木に上ったり、ノコで切ったり、結構な運動でなかなか楽しい。
昼過ぎ飯食ってたら、庭に三毛猫がいる。
あんまり小さいので迷い子猫かと思ったら、ほとんど動かない、病気のばあちゃん猫。
ずいぶん痩せてぼろぼろだ。
鼻は傷付きただれ、目やにだらけ。
息をするのもぜーぜー。
水を出したら飲むが、餌は食わん。
撫でてやると、あばらがハッキリ感じ取られ、もう死にそうだが、喜んですりすりしてくる。
なんか切なくなるのう。
しばらく見てたら動き始めた。
よたよた、あー倒れそう、2メートルぐらい歩いてはしばらく休む。
夕方までかかってようやく家の外へ出た。
道に出た所で、隣のおばちゃんが出てきたんで、どこの猫ですかね、と聞いたら、あら、ミケタン、どうしたの?
ミケタン2回の癌の手術をし、今はぼけて徘徊してるらしい。
3軒隣の猫で、もう長くはないだろう。
夕暮れの空は青く、月がポッカリ大きくとても美しい風景だった。
ずう〜ッと見てた。
風呂も明かりをつけず、湯と一緒に月の光を浴びた。


11月29日 (木)  [59] 教会

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11月29日晴寒
引っ越しの後かたづけもおおよそ終わり、個展も無事始まった。
今日から、新居で初めての粘土いじりを始めた。
2週間以上ぶり、道具の位置が今までと違う、ライティングは日射しが強くてちょっと違う、などでかなりぎこちない。がすぐに馴染みうまくできた。
今までより調子いいかも知れない。
今後の展開や成長が自分でも楽しみだ。
今日は手始めだから早く切り上げ、このあたりの風呂屋に行く。
地図を見て、まずは近場から・・・と思ったら、なんという山道、うねうね坂だらけ。
夜の山のカーブはちとびびる。やっと、いきなり目の前に風呂の看板。
すっご〜い感じ。古い。ずいぶん昔からあるようだ。
露天に入ると、でかい看板に、
『野生の動物は、人間の裸に大変興味がありますので気をつけて見て下さい』とのこと。
おいらは野生だ。
来ている人たちはほとんど知り合いらしい。
「孫ができてね」
「へえ」
「嫁がフィリピンなんで、孫の目が、でかくてくっきりしてんだよ」
「ほほう」
「鯛の目よりはっきりしてんだよ」
「そりゃあ、かわいいね」
「い〜や」
帰りは違う道をとおって、迷って迷って、暗闇に目に映るは、あっと驚くピカピカ電飾。
クリスマスまじかの教会でした。


11月28日 (水)  [58] 中華街

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11月28日晴れ
昨日の疲れが残っていて眠いが出かける。
まずは個展会場のいろどりや。
10年ぶりにここに来る。
笑ってしまった。
個展というよりもグループ展。
いろんな作家さんの作品があって賑やか、店主の帰国子女たらちゃんの好きなもの集めて展示してる感じ。
ざっくばらんでこぶ茶は出るし、昔の小屋小店って感じだね。
なんか将来、茶飲み友達として爺婆なっても、こぶ茶飲みながら個展だぞうってグループ展やってそう。
うまいこぶ茶飲みたい人どうぞ。
そのあと、世田谷線のちんちん電車で三茶へ。
ちんちん電車が新しくなって、ちんちんしなかった。
ここは永年住んだ所。
画材屋の鼻でか高野さんにDM渡して、ザばちゃんにも渡して、横浜高島屋へ。
勇敢な火消しと老後を頼みたい火消し妻とその子が朝から来てるとか。
おまたせ、懲りずにまた来てヤ。
ところで老後っていつ?生後2ヶ月はわかるが、老後2ヶ月って?
夜はもちろん中華街。
木と石と妖怪夫婦らと一緒に、海員閣というところへ。
こじんまりとしてる、2階の丸テーブルで乾杯、うまい。
注文を聞くおばはんが実にいい、ぼーっと眺めてしまった。
長い年月の苦労で腰も足も曲がりくねってて、口数少なしぶっきらぼうなおばはんだ。
…実に美しい。


11月27日 (火)  [57] フラワリングピエロ

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11月27日寒晴
この家をリフォームしてくれた般若面さんが来たので、ここぞとばかりに頼んで、石こうを持っていってもらった。
金がかかるらしい。
この石こうはどこへ行くのと聞いたら、ちゃんと区分けされ指定の山かどっかに棄てられたまっているらしい。
不法投棄しないのと聞いたら、顔が般若になった。
なんちって。
話しによるとコンクリートが一番厄介な代物で、とても多く出て、何の使い道もないとか。
なんにしろゴミはたくさんでまくる。
人間は自然を見下したり、ないがしろにしたり、生物界の王と自惚れたりするが、ばい菌の親分か、地球にとって使い物にならんモノばっか出すから、ゴミの大将もしくはゴミそのものかもしれない。
……偉ぶるのはちっぽけだからです。
偉かったら偉ぶる必要はありませんから。
ちっぽけがちっぽけを恥じて隠すため偉ぶるものです。
偉ぶるからちっぽけなのです。
かといって、ちっぽけだよと偉ぶるのは鈍感だからです……
今日は、個展の搬入で横浜に出かけた。
久々の街で、子猫のようにおどおどして道に迷う所であった。
デパートの搬入は、引っ越しと似てる。
8人でてんやわんや、夜11時まで、飯も水もなし。
最終バスが無くなりそうなので、泡てた慌てた。
ア〜疲れた〜寒い、風呂だ〜〜風呂しかねえべな。ザップ〜〜〜ン。


11月26日 (月)  [56] フラワリングたつ

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11月26日ちょいさむ 今日はゴミの日。
 庭で燃やせないゴミがゴミ袋に10以上ある。
車に積んでいく。
さすがに朝早いだけあって誰もゴミ捨ててない。
ここぞとばかりにでかいゴミ箱に全部押し込んだ。
でもまだ燃えないゴミと壊した石こう型がいっぱい。
石こうは燃えるゴミでも燃えないゴミでもなく、石や砂と同じなんだって。
かといって庭の土にはなんないし、重いし面倒なものです。
いろいろと作った大形作品の原形だから、感謝の気持ちで、どっかに塀として『石こう垣の小径』でもつくろかね。
 昼過ぎペンを買いにいく。ロウソクなどは見つかったものの鉛筆・ペンなどがとうとう見っかんなかったのだ。
でも変なペン発見したんで買っちゃった‥嬉しい。
新しい変なものが見つかると嬉しいよね。
作品づくりもそうだ。
考えてもいないものが、ひょいとできるととっても嬉しい。
そういうものは時間をかけたものでも、頭を使ったものでも、大きさでも力でもない。
ひょいだよ、ひょい。
あとで頭はそれについて考え始め、なるほどねえ、うまいねえ、不思議だねえ、などと他人の作品を見るように見る。
下手なものとか、わかんないものとか、やり始めだとかに、ひょいは起こる。
だからいつも初心を‥とかいうのだろう。
初めはドキドキしてぎこちないが、気持ちいい。
恋をしてる感じかしら。
……人は結果や結論や正解や完成を求めます。
それは「終わり」のことです。
初めが好きなのに終わりを求める。
これが葛藤です、苦しみです。
初めとは新鮮なものです。
終わりとは希望や理想で未来というものです。
「未来」とは「過去の経験」が求めるものです。
それは恋ではありません。
過去の恋の練り直しです。
練り直しにドキドキはありません。
なんでも、練り直しを求めない時、毎日毎日が恋するように新鮮になります。
今日の朝日は昨日の朝日ではありません……
28日から横浜の個展(情報はBBS)始まりますので新鮮フラワリング見てね。


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