11月17日 (土)  [51] 花

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11月17日晴れ
この家ともお別れです。
ジャスト8年住みました。
たくさんの作品がここから出てゆきました。
本格的に猫づくりが始まったのは、ここからと言えます。
『猫神様』を筆頭に次々と大作が生まれました。
『猫神様』は、初めての大作だったからとっても大変でした。
途中で足の形を変えたり、腰が潰れちゃって、やり直したり…………
最初は「猫王様」だったんだけど、何故か急きょ神様作ろうになってとりつかれたようにつくちゃったんだ。
出来上がった時、初冬なのに裏の林が花一面になった。
そのように見えたんだろうけど、精神は花満開だったんだ、きっと。
初めてのフラワリングだね、たぶん。
でも『猫神様』を作ったから花咲いたのではないと思う。
……頭が欲求している世界と手が作れる作品は、ずれているものです。
それは頭が先にイメージを追い、手は2番目だからです。
これでは作ったあとの感動はたいしたことありません。
だから、頭は感動を得ようとますます強いイメージを求めます。
これでは手がないがしろにされます。
大切なのは、頭が欲求している世界を放棄し続けることです。
頭の中の曇りは去り、一面青空になることでしょう。
その時、青空のもと花が咲きます。
そこに、自然に、手が作品を生むのです。
創造とは自己放棄です……
今回の個展は『花咲かそう』がテーマです。
ちなみに、庭いじりに興味を持たせ、花の美しさを教えてくれたのもこの家です。