11月10日 (水) [3208] 公美堂35
なにせ、この家族全員4人とも血液型がB型だ。B型というのは自分勝手と言う。確かにそのような気がする。高野さんの家に遊びにいった時、テーブルに食事が用意されていた。4人のそれぞれのメインが魚、肉、ラーメン、カレーとバラバラ。他人のエサをつつこうともしないで、満足げに自分のエサだけを喰らう。こんな自分勝手なB型でさえ、そのエサをくれる母親がもういないことを夕食の度に気付くことになる。腹が減る度、ウツで過去を振り返り沈んでボーッと虚ろになって食事を作ることを忘れていた母親に苛ついていた自分の感情の行き場がないことに気付く。4種類の食事が並んでいたテーブルの上に三種類しかないのを見た時、一瞬?マークが頭中に現れ、ため息とともに母親がいないことに気付く。
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11月9日 (火) [3207] 黒い猫2
次の日ヨゾは帰ってこなかった。あの黒い猫が気になる。子ネコに見えたがヨゾかもしれない。夜だし、車の中から見たわけだし。しかし、どうやってあそこまでゆくだろう。そういや寺に行く前に宅急便屋がきていた。ドアが開いた宅急便屋の車に乗ってしまい、そのままどこぞに向かう。あの黒い子ネコがいたところに宅急便屋のお客がいて、そこで車のドアを開けた時にヨゾは逃げた。てな事が考えられなくもない。
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11月8日 (月) [3206] 公美堂34
高野さんの二人の息子らがこの店を引き継いでゆく事は考えられない。あいつらアホだし長男は十年近く引き蘢りで部屋から出ていない。30才。聞くところによるとお母さんが死んで家を出たらしい。何かを覚悟したのか? そのまま出続けるのか? それともまた戻って来て本当のモグラの子孫として全うするのか? もう一人の息子、次男は勤め人だ。店をやるタイプではない。
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11月7日 (日) [3205] 黒い猫
寺レイブの帰り道、歩道に黒い子ネコが道路を渡ろうとして佇んでいた。危ないなと感じ車を停止し、迷子なら持って帰ろうとしたが、他所んちの猫だったらまずいので、そのまま帰った。家に帰ったらヨゾがいない。ヨゾは真っ黒い猫だ。もしかしてさっきの猫はヨゾ? しかし、うちから4キロもある橋の向こうだ。まさかそんな遠いところに、それに橋を渡るわけがない。とにかく明日、ヨゾは帰ってくるだろう。こんな事は前にもあったからな。アニニョンとヨゾはいつもこんな風に心配させる。それにしてもあの黒い猫は?
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11月6日 (土) [3204] 公美堂33
それよりなにより公美堂のおばあちゃんが死に、そして今回は奥さんの朋子さんが死んでしまった。別に事件が起きて死んだわけではなく、少々若くして死んだのは悔やむが、とりあえず死にゆく順番としては年齢順、自然と言えば自然な流れだ。次は当然高野さんだ。まだ早いけど高野さんだってもう60間近だ。太陽が嫌いなのに、ここ数年畑にハマって太陽に当たる事も多くなった。太陽に当たり過ぎているモグラはそう長生きはできない。
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