11月30日 (火)  [3228] 公美堂45

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 公美堂のお客のひとりに年老いた文化功労賞らしき画家がいたが店に顔を出したのを僕は見たことがない。春、桜の花が咲く頃、公美堂に電話が入った。高野さんは電話で「はい」と一言、ほんの数秒の電話、高野さんは電話を置くと店の絵の具棚からバーントアンバーの絵の具を一本取り、僕に出かけて来るから留守番してくれと言って行ってしまった。こんな急ぎの電話って何だろうと思ったら、大先生がバーントアンバー300円そこそこの絵の具一本を持ってこいということらしい。三軒茶屋から成城あたりまで、たった一本の絵の具で大の大人を呼び出すとは、動けない身ならまだしも確かぴんぴんだと言うからまあなんと凄まじい横柄この上ないジジィだ。さすが天然記念物。