もりわじん絵日記 2010. 11
メニューに戻る
11月20日 (土)  [3218] 公美堂40

20101120-1.jpg


 僕はこの店の高野さんから油絵の描き方を習い、本当はまともに習いましたと公言できるような教えを戴いたわけではない。高野さんは売り手であって油絵の材料の使い方は知っているが、絵など描いたことがない。だから表面的な使用法はいいんだけど経験がないと気付かないような深いところはデタラメ教えられ、失敗し、それに腹立ちながら結局は自分で教えられたデタラメとはまったく違うデタラメな絵画手法を編み出していった。だから絵ができたての頃はいい感じに色やマチエールが保たれていたのだが、その後季節は巡り温度や湿度に耐えきれず殆どボロボロ、見るも無惨になってしまった。


11月19日 (金)  [3217] 一年無事

20101119-1.jpg


 とうとう山形に引っ越して今日で一年経ちました。いやいや思い出しますね。神奈川の家を売ること、年末年始用の作品作り、引っ越し準備、苦手な長距離車、猫亀運搬、雪国生活への対応などなど山ほどやることをクリヤーしなければならなかった一年前。引っ越ししてからの冬生活、雪降ろしに雪掻き、薪割り、吹雪き運転、田舎の人々との人間関係などの厳しい冬を乗り越え春。庭木植えと池作り、地元での作品発表、新聞TV取材、新境地もがみん、弟子育て、いつもの個展に向けて夏。快適な風に恵まれ作品作りは順調、慌ただしく目まぐるしく過ぎてゆく時間に胃痛、胃カメラ、大腸カメラなどの検診して秋。来る福をスムーズにクリアーして薪割りから始まって薪小屋作り、秋の庭造り、そうそう薪小屋の話しをしないとね。こうやって今は冬。四季を感じ四季に包まれ四季と一緒に一年が過ぎたわけです。まあ、いろいろあったけど結果楽しかった一年でした。


11月18日 (木)  [3216] 公美堂39

20101118-1.jpg


 そう遠くない将来、高野さんが会う度言っていた「店はつぶれる」それが現実になるだろう。東京の世田谷の三軒茶屋の、ここまでは然も名の知れた地名だが、このあとは路地裏ボロい裏ぶれた店が10件もないアーケド商店街。そのアーケドもホコリとゴミと黄砂と鳥の糞で太陽の光も射さない。誰もが忘れるに決まっている。いや、忘れたい三軒茶屋の汚点だ。こんな商店街にあった一軒の名もない画材屋の事などだれが記憶に留めておくだろうか? だれも記憶に留めたくない。


11月17日 (水)  [3215] 外泊

20101117-1.jpg


 ところが最近のこと、この寒いのに今度はアニニョンが帰ってこない。もう三日めだ。ヨゾの事があったから大丈夫とは思うが心配だ。いくら猫エサ散らばっているあの家だってこの寒い時期は玄関開けてないだろう。そう心配しているところに弟がやって来て、親父が行方知れずだと言う。今日で三日め。あの親父80過ぎても元気溌剌。徘徊してどこかで迷子になるタイプでない。車で温泉にでも出かけ、自慢話を聞いてくれるおばさんと出会い、飲んで酔っぱらってオレの悪口言ってるんだろう。悪いが親父のことよりオレはアニニョンが心配だ。


11月16日 (火)  [3214] 公美堂38

20101116-1.jpg


 空虚や退屈よりは見知らぬ路地を緊張しながら歩いていた方が、まだ救われる。しかしやはり誰もが言うようにどこへ向かっても心の空虚感が満たされる事はない。引き蘢りで外部を見ようとせず内面ばかり見る事に慣れていた長男は初めて思いっきり現実の深い空虚を直視することになる。虚しく疲れ、街を吹き抜ける冷たい風や冷たい人の視線を浴びる。冷気が日常になった時、腹が空いてなくても生々しく明確にリアルな暖かい母親を思い出す。暖かさが心を過るその一瞬、嗚咽する程泣き叫び吐き出しきれることのない寒気と弱気をいつまでもいつまでも吐き出そうとする。


| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
2010/11
SuMoTuWeThFrSa
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

前月     翌月