<<WORKS INDEX

●猫の神様たち●


【猫神様】
NEKOGAMISAMA(1994)

最も初期の大作で、これ以降の「猫の神様シリーズ」の先駆となった作品。半眼の表情が実に神々しく、「招き猫を神仏の領域までに高めた」と高い評価を受ける。


【大頭猫命】
DAIZU-NEKONOMIKOTO(1995)

どこか、日本の創世記「古事記」の世界を彷彿とさせるような、童子姿の招き猫。
1995年の「第1回来る福招き猫まつり」で発表された。作家によれば「制作前に会場となった伊勢を訪ねて、神宮の杉並木の参道を歩いたりして感じた空気のようなものを表現している」とのこと。名前の通り、二頭身の異形なのだが、じっくり眺めていると次第にかわいく思えてくるのが不思議だ。


【多聞猫】
TAMON-NEKO(1996)

多くの人々の訴えを一度に聞き分けたという聖徳太子の逸話がモチーフとなった猫。
ただでさえ敏感な猫の耳が6つもついていれば、この世の中のどんな出来事も聞き逃 すことはないだろう。深みのある赤の彩色が一種独特な風格を与えている。


【渾沌神】
KONTON-SHIN(1996)

中国の古典「荘子」に出てくる、目も耳も鼻も口もない不思議な帝王が「渾沌」。渾沌はおせっかいな友人たちに、毎日ひとつずつ穴を穿たれ、7日目に死んでしまった。
もりはこの寓話が大好きなのだという。黒と白に塗り分けられた渾沌神には、やはり 目がないが、心眼で宇宙の森羅万象を感じ取っているようだ。


【アハーン招猫神】
AHAM-MANEKINEKO(1997)

しっかりと抱き合った二匹の猫。「アハーン=AHAM」とは、サンスクリット語 で「合一」といった意味なのだとか。結縁、和合といった願いを込めている。


【猫王】
NYAOO(1998)

もり猫ワールドの猫の王様。座禅を組む達磨大師をイメージして作られた像だが、 威厳の中にも慈愛を感じさせる、むしろ女性的な猫神になった。モナカ猫王、トマト 猫王を従えている。


【ビッグトラヨ】
BIG-TORAYO(1998)

「トラヨ」という名の本物の猫の表情や毛並みをうつしとった、言わば生き猫神様。
ふっくらしたからだつきと穏やかな笑みは、この世に生きとし生けるものすべての幸 福を招いてくれている。


【娘々】
NYAN-NYAN(1999)

中国のクーニャンを思わせるヘアスタイルは、よく見るとそれぞれ猫の頭になってい る。無限大の概念を作品化したもの。前垂れなどの意匠もどことなくシノワズリーの 雰囲気。


【太陽猫神】
TAIYOU-NEKOGAMI(2000)

万物をあまねく照らす太陽をイメージした太陽猫神と、それを取り巻く惑星群によっ て構成された作品。さながら天空に遊ぶ趣がある。