「サ スウォスス オブ キャッツ ワールド」(もりわじん作)

はじまり はじまり

目の前には 不思議な宇宙に行くための 小さな小さな穴がある
 この入り口には 人はなかなか気づかない
 ふと我にかえった時 むこうの宇宙に行っていたことを忘れる
 たとえば 夢の中ですべての不安を解かれ
  一瞬のうちに体感した大きな大きな渦を
   人は心地好いとしか思い出さない

子供の頃 だれもが 現実であったはずの夢や幻の中の
    長い長いどこまでもつづく河を旅したものだ
 だが それもただわざと複雑な目の前の常識の一秒に脅かされ
 アッという間に百億年の宇宙は消え去ってしまう

   (非現実的夢幻に閉じ込められ)

1秒の常識と百億年の宇宙を等しく生きた
  これら不思議な猫たちは
 ひとりひとりが光り いつの日か消え失せる
しかし その明るさだけは 皆の魂の中に永遠に宿るはずである

    なにはともあれ

   さあ、河をわたろう!