もりわじん絵日記 2006. 1
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1月31日 (火)  [1475] 安寧

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 rain  
てなわけで、アニニョンとの恋を育んでいたけど、アニニョンのあまりのすごさに少々自分を省みてしまった。なによりすばらしくすばしっこくかっこよく男らしいのが自分と思っていたんだが、そうでもなかったわ、ガハハハハ‥。この恋で初めて自分がドンで、本当は活発ではないことを知り、どちらかというと空想家というかもの静かに考える哲学する猫なのさ。人の心が読める、かなり深いところまで、で、こんなこと語って伝えているわけかも。わじん選手も似たようなタイプで、運動もせず籠っているんだが、己の脆弱心身の事が精一杯で他人や世界を読めるような悟ったたまではない。ただの偏屈サルコンペジジィだ。ん〜ま、そんなもんだ。
ところで、オイラとアニニョンの仲は主導権はアニニョンだが、いつもアニニョンのすごさに感動しながら仲良く走り回っていたさ。一緒にだっこして寝てたし。
それから次の年の春、オイラも大人になったものだから、アニニョンにアタックするんだが、アニニョンは相手にしてくれない。これにはほんとまいった。同い年なのになんか子供扱いなんだわ。まあ、わからんでもないけどね。アニニョンは彼女目当てにやってくる他所の猫共と大人の付き合いしてる。だから日に日に女っぽくなる。オイラの手には届かない存在になってゆく感じ。どう見たってアニニョンは自由奔放、アニニョン中心に猫世界は回っている。いつも喧嘩吹っかけてくるゴマ吉も遠くからやってくるアメブチもでかくて小石を蹴散らして勇壮に歩くサバも不細工なウスブチもみんなアニニョンにメロメロだもん。嫉妬らしきものも多少あるけど、それよりもアニニョンが輝くのを見ていて嬉しかったね。他のオスとの付き合いに疲れて帰ってきた時はオイラの隣に座るんだよ。オイラが優しく舐めてあげるとゴロゴロして嬉しそうに寝ちゃうんだ。可愛かったなぁ、アニニョン。ア〜思い出すなぁ、あの頃‥


1月30日 (月)  [1474] 才色兼備

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 fine
我が初恋の猫、アニニョン。とってもきれいなアニニョン、可愛い可愛いアニニョン、ドキドキしぐさのアニニョン、どんな宝石よりも輝くアニニョン、マイ宝アニニョン、一緒にとけたいアニニョン、どこまでもどこまでもアニニョン、いつまでもいつまでもアニニョン‥‥
ところが、アニニョン、オイラの真似して木に登ったりする。それがオイラより上手い。どうだここまで来れるかい?と見れば、もうオイラを追いこしている。パーゴラの梁を恐る恐る歩いてたら、アニニョンはピョンピョン、まるで大地を走るようにオイラを跳び越えてゆく。一度2m50もある下にドンと落ちたが、それでも怖れない。すごい!まいっちゃったね。頭もいい、才色体力総兼備、非の打ち所がない。オイラの登れないようなところもすいすいゆく、歩く、走る、跳ぶ、浮かぶ、泳ぐ、踊る、しなる、ゆらぐ、舞う、とける、燃える、はじける、飛ぶ‥。平気で遠出もする。オイラなんかちょっと遠くへ行ったら不安で不安で。この間も鳥追いかけてて桜の木に登って敷地の外に落ちてしまった。落ちる瞬間、恐いとかいうよりいろんな映像が走り抜けていったね。気付いたら塀の外。中に入れない。アニニョンは軽々と桜の木の枝先までゆくし、塀なども楽々と越えられる。しかしオイラはダメだ〜、恐いし、もし万が一にも怪我などしたら嫌だし、打どころ悪かったりしたら‥不具になったり‥死んじゃったり‥。泣いて、わじん選手に門開けてもらっちゃったさ。情けない。でも、我ながら、ほんとに恋に目覚め自分でも信じられないほど挫けず溌溂に頑張ってたさ。


1月29日 (日)  [1473] 恋

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 fine
オイラが生まれて4ケ月を過ぎた2003年秋10月半ば、いきなしアニニョンがやってきた。わじん選手らがキムチを買いに韓国食材屋に出かけ、そこに捨てられていたメス猫。やけになつくから拾ってきたらしい。名前は韓国語の挨拶アンニョンハセヨからとってアンニョン。漢字で安寧、平穏無事っていう意味だね。そのうち当然のように名前は変化しアニニョンになってしまった。オイラと同い年でけっこう可愛い、というより美猫。一応オイラのタイプ。ってゆうか、こういうのは出会いだからね。オイラ彼女求めて旅に出るタイプでもない。どちらかといえば籠って哲学瞑想。御先祖様は夏目猫だし。たまたま家にアニニョンやってきて、別に嫌われてもいないようだし、成りゆきですわな。ベタ惚れしちゃいました。メスとはすごいものだ。いやいや、これが恋というものなんしょね。オイラは普段活発さのかけらもないタイプなのに、なぜか動き回りたい。自分が自分で信じられない。自分でも想像出来ないことだった。魂取られたような。なんか恰好つけたい、見せつけたい、自慢したい。そんなことは下らん妄想だ、女子などに踊らされてはいけない、なんてまったく思いもしなかった。普段の物静かな深い湖の底のようなオイラの心が沸々煮えたぎってしまったのだ。そりゃァ、熱いから湖の魚はピョンピョン跳ね騒ぐわ騒ぐわ。活発に木登りやらなんやらしてオイラの溌溂したすごさを自慢げに見せつけた。「キャー、イゴちゃ〜〜〜ん!ン〜もう、ステキ!」な〜んて言われるとますます増長し、人間でいうところの天下取ったような、自分中心に世界が回っているような、そんな昂揚気分、ハイ、テンパってしまいましたさ。笑いが止まらんほど得意がっていたさ。おなごだ、おなごだ、わっしょい、わっしょい、タハハハ‥。


1月28日 (土)  [1472] 企み

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 very fine
そんなポチ君、オイラを偶然にも育ててしまったものだから、わじん選手らの評価が高くなって一気に嫌われもの返上してしまった。人間とはおかしなものだ。あれほど嫌っていたのにころっと変わる。ポチ君もわじん選手がそれまでとは打って変わって優しいのでポカ〜ンとしてますますホケた顔になってしまった。企み屋のポチ君としては企んでもいないのにこうなったものだからわけがわからん。企んでこうなったものなら2度3度と企み、うまいこと人間にへつらう。「お〜ポチ君、君はなんて賢く可愛く優しく愛情深く無垢で純」なんて褒められ、いつも人間の近くのふかふか特等シルク羽毛布団の上で極上の夢を見る権利を手に入れる。自分の企画に自惚れ他の猫の前で「頭よ、ようは頭」と威張ることができたんだけど。しかし、そうではなかった。天網恢々疎にして漏らさず。企みなどは賢しらな知識という不純物質を含む。ゆえにそう単純に好かれ者などになるわけがない。まあ、企むものは狭い社会においては賢いだろうが、大自然の営みから見たらそれほど賢くないってことですかね。人間社会の事件も小賢しい企みがバレてチャンチャンてな感じだし。企まないがゆえに知を超えた美が表出するわけですね。美ですよ、美。汚れのない澄みきった水、美。上善若水。とりあえず、ポチ君は晴天の霹靂、嫌われものではなくなりこの屋敷に必要な猫になった。よかったよかった。オイラのおかげじゃん!おかげでオイラはホモ。かといって完全なるホモではない。のちに美しき妖艶なアニニョンが来てメスに目覚めるわけですな。


1月27日 (金)  [1471] バレバレ

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 fine
一昨日の話の続き。
わじん選手らは、ポチ君が幼いオイラを両手で転がしているところを発見して、これはもしや、捕まえた鳥を弄ぶしぐさ!喜びの猫踊りだ。やばいのでは?食っちゃうのでは?可愛がって育てていると見せかけて、実はエサ。ちょっと目を離した隙に食っちゃって、知らんぷり。「ポチ君、イゴはどうした?」ポチ君、にゃーにゃー言い訳こくんだろうな。「ボクも探しているんだよ。いなくなったの〜。大切に育ててたのに、どこかへいっちゃったの。心配で心配で。メシも喉を通らない。あっ!チャイちゃんが食ったかもしれない。なんてひどいことを‥。悲しいよ、寂しいよ。ボクにはどうしようもできなかったんだよ。ほんとだよ。ボク食ってないからね。絶対食ってないからね。あれ、主人はボクのこと疑ってるの?もしかして。嘘だ〜。ボクを信じて。ボクがそんなことするような猫に見える?」なんてね。完全に信じられてない。わじん選手らが出かける時はオイラをポチ君の目の届かない箱の中に入れて出かけた。まあ、運良くオイラも食われることもなくポチ君にいろいろ人間のことや犬のことを教わりながらここまで育ったさ。「いいか、イゴ。人間は皆嘘つきで騙すから騙す側にたて。疑ってかかれ。身勝手ですぐ飽きて叩いたり蹴ったり他所に捨てたりするからエサくれる人間の前では愛想笑いを絶やさず媚びてゴマするんだぞ」などなど。今になってみれば、たいした役には立ってない。どうでもいいことだ。いまだにポチ君はわじん選手らにゴマすったり裏で陰口叩いたり、弱いくせして偉ぶったりしている。バレバレなのに気付いてない。身体でかい割りには心臓がアリより小さい、小心猫だ。


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