もりわじん絵日記 2005. 4
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4月30日 (土)  [1200] ウツんち

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昨夜から、ギャラリーの近所に住むウツが田舎に帰っている。部屋が空いているから泊まってイイヨと優しい言葉をかけてくれたので、遠慮なくそうする。気兼ねしないアパートの一人暮らし。ぐっすり眠れた。個展追い込み、搬入、初日と慌ただしかったから、かなり疲れがたまっていたみたい。ところで、ウツ、えらい。ワシが泊まるというからと、わざわざ新しい布団一式買っておいてくれたのだ。前に東京での展示で泊めてもらった時、寝袋に枕代わりに座布団、眠れず、軟弱なワシは風邪ひいてしまった。ウツは普段から、寝袋暮しで、ワシが泊まる時などは、ただ長椅子に腹出してゴロッと眠れる。すごい頑強タフボーイ‥身体はね。問題は精神‥なにせウツだからね。ウツが田舎から帰ってきても泊まればといってくれるのだが、ウツ、寝言がすごい。前に泊まった時眠れなかったのは、この寝言のせいもある。普通にしゃべるのだ。「朝だよ。いい天気だね。ちょっと散歩して公園にでも行かない?そういやお腹空いたね。ここのカレーがうまいんだよ。アハハ‥」などと、朝でもない夜中に、まるで起きているように語る。これにはまいった‥
ひとりアパート暮しの朝、起きて、朝飯作って食べ、コーヒーなんか飲んで、画廊に出かける。
いいねぇ〜、見知らぬ土地に旅に来て、この土地の住民になったような新鮮な気分だわ‥


4月29日 (金)  [1199] アルツハイマー

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銭湯にて。足どりがふらついているお兄さんがやってきた。顔がサンタフェのダニパパそっくり。年はそんなにいってない、ワシより若いかも。ちょうど自分の斜め後ろの洗い場に座ったので、鏡でず−っと眺めていた。酔っているようにも見えるがそうではない感じ。自分の髪の毛を洗うのに重い手をだるそうに動かす。時々疲れて腕が落ちる。適当に髪の毛は洗われ、桶でお湯をかけるのだが、これがまた重いので大変。身体が不自由な人には見えない。ワシが風呂から上がって着替えていたら、お兄さん、何も持たずに脱衣所にやってきた。自分のロッカーを探している。風呂道具はすべて洗い場に置いて来ている。あれ?あれ?と言いながら自分のロッカーを探す。カギを持ってない事が不思議らしく、首をかしげながら使用していないロッカーをひとつひとつ開けてゆく。洗い場にカギがあるのが見える。たった数分で風呂道具とカギをどこにやったか忘れてしまったようだ。彼は脱衣所のベンチに腰掛けて頭を抱え、あれ〜?と悩んでいる。数分経って、彼は立ち上がり洗い場に向かい、もしかして洗い場にカギがあるのではと探す。でも探せない。自分がどこで頭を洗ったかも忘れている。洗い場を一周回るが見つけられずに脱衣所に戻って来た。またロッカーを探す。ベンチに座り、また、あれ〜?。ワシもベンチに座り彼の行く末を眺める。もう10分以上も経っていた。彼はおもむろに立ち上がり洗い場に向かった。今度はいとも簡単に自分が洗っていた場所に向かった。カギを見つけ少しニコッとした。オォ−記憶が繋がったようだ。不思議なものだ。アルツハイマーだろうか?アル中?薬?なんだろうね?
‥湯冷めしてしまったわい。


4月28日 (木)  [1198] ステージ衣装

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個展初日。
この間ハワイで手に入れたお気に入りのブルー地にどくろのイラストの描かれたTシャツに黄色とブルー・バイオレットのオーロラジャケット、それにポリスのサングラス、頭はツルツル坊主のいでたち。これが今回の個展のステージ衣装なのだ。さて、初日なので、オープン早々お客さんはやってきた。なんと、何時間もじっくり作品を見て、これもあれもと売約済みの赤丸シールをつけてゆく。オ〜もしかして、このお方は、資産家のお嬢さん?おほほほほ‥
まあ、お嬢さんのおかげで、会場も華やかになり幸先いいスタートとなりました。


4月27日 (水)  [1197] 身軽

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チャッチャ、チャッチャと準備して、個展会場に出かける。
ちんまい作品なので、搬入は今までになく簡単。この前この会場で個展を開いたのは2年前のこの時期。その時は、猫神様のビッグサイズが2体に台、そん時の個展内容が猫の葬式だったから人間大の猫と棺桶まであった。それと、ここのギャラリーだけでなくギャラリーふくふく猫や近所のギャラリー金魚、他なども使用して、谷中全体を猫の葬式&祭りにしようとした。だから、搬入はとんでもなく大変だったように記憶している。
それと比べて、ま〜なんと簡単。
よかったよかった、一度こういうシンプルな展示をしなければと思っていたのだ。自分に課せられたイメージを裏切る、イイ意味でね。
これで身も軽くなった。なんか自由になった気分です。


4月26日 (火)  [1196] ミクロ

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画竜点睛で絵は終わりかと思えば、さにあらず。ワシは終わらない。ここから塗り重ねて深みをつける。わけではなく、ミクロに入ってゆくのだ。昨日の晩、それをやったので、わけ解らん手のミクロな神経を使ったのだろう、腱鞘炎になってしまったわい。今回の個展タイトルがちっちゃいってなわけだから、うまい事ピッタリだ。
さて、今日は製作最終日。ミクロの虫を描き、あとはこまごまとした事やって、夜、マエノッチがやってきて作品を渡す。夜中までかかってしまった。
始まるぞー。今回の個展の作品、どうなる事やらと、紆余曲折、暗中模索、右往左往しながら、切磋琢磨、阿鼻叫喚、日々好日したが、立体も平面も今までにないものに挑戦したので、かなり満足です。不思議なもので、今回のはそれほどでもないだろうと思っていたのに、今までにないぐらいいいものに感じる。普通、年とともに才能は枯れると言うけど、ワシ、どんどん伸びているように思える。ワシの透明な根っこが、もしかして北斎と繋がってたりして‥
みなさん、個展に来てね。キャーたまんな〜い、ってな感じになるでしょう‥


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