もりわじん絵日記 2004. 7
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7月31日 (土)  [937] ハイ・ダウン

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なんじゃ〜この天候は?
大雨だったり、デカデカに晴れたり、あいも変わらず湿度計は100%を振り切っている。
メダカの稚魚は水鉢の水が雨で溢れ流されているようであまりいないし、洗濯物はたまるし、スリッパはベタベタするし、デッキは乾かず白いカビが生えているし‥ア〜富士山に来迎を見に行ったシーマサは台風が来ても雲は富士山の下だから大丈夫と言っていたが、飛行機に乗ったら、富士山は雲のずぅーっと下、じゃん!
この空よ、いい加減にしてくれ!と言ったって、空の責任ではない。総てがからんでこの世は出来ているのだから、どこかが身勝手こんこんちきすれば、それを補うべく、いろんなところにしわ寄せがゆき全体が歪むのは当然。粘土と同じで、頭の後ろが出ているからと指でぐいっと押せば前面の鼻や口が裂けて歪んだ顔になる。そんな歪んだ顔が嫌だと放っておけば乾くにつれそこから大きく割れる。歪みは呼吸する生き物のようになり変わってゆく‥
夕方、心の歪みの修正がぎこちないウツが日本橋の美味しいコーヒーを持ってやって来た。
庭でコーヒータイム。
どうした事だろう?ここ1週間ウツで会社を休んでいるらしいが、今日はすごいハイテンションに変転していて、大声で大柄に酔っぱらい親父のようにガハハと語る。沈んで、今にも自殺しそうになっているかと思えば、傲慢政治家に変身、妙なやつだ。気が大きくなっていて、今度、カルフォルニアで招き猫の個展やろう、だって。いい話しに進めばいいのだが、なにせいつ気が沈んで落ちて責任果たせないと自分を責め、何が起こるやもしれない、ウツだからなぁ〜
ワシャ、誰も何も信じないもんねぇ〜 
これまでいろんないい話しはいっぱいあったが、大抵夢幻。
快楽と居心地イイというのは似ているようでまったく異なるもの。
大事なのは居心地でものを見る、人を見る、空気を見る。
ハイやダウンでものを見てはいけない。
ハイはダウンに依存し、ダウンはハイに依存し、それぞれ単独では存在できない。
ハイがなければダウンはない、これを知覚する事を居心地イイという‥愛ともいう。


7月30日 (金)  [936] 超幸福猫

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晴れたり、大雨だったり‥
アトリエの湿度計が100%を振り切っているけど、壊れてんの?それともここは水の中?
午前に、ウツの紹介で雑誌の編集しているゴウ君がやってくるというので、駅に迎えに行く。年下なのにパッと見おじさんに感じたが話せば年下に見えてくる。自分の歳ぐらいになるともう若いも年寄りも何がなんだかどうでもよくなりどうにでも見える。二十歳の人間から見たらとんでもないくそ爺ィにしか見えないのかもしれんけど‥
招き猫の事を載せたいとのこと。時期的にちょうど恒例の来る福招き猫祭り。手元に伊勢のポスターがあったので昨日写真をメールしたら、善は急げという事で早速会うことに。
この伊勢のポスターには、今年の春にできた新大作『超幸福猫』がアップで出ている。今までポスターやチラシに載っている招き猫は座っていて古典的イメージを抜けていない。それが今回の超幸福猫はうき猫の大型判で踊っている。一応招いているし、しっかり幸福感が表現されているので、雑誌などに出たら大変嬉しいだろう。招き猫でありながら招き猫を作りたくないワシの心情も表わされているしね。それにうき猫は見た目はええじゃないかと踊り狂っている感じで、猫を作り始めた当初からズーっと人気があり、この猫がこの時代に招き猫を復活させた張本人、パイオニア、はしり、先端とも言えなくもない。ええじゃないか音頭元祖の伊勢の祭りも一段と楽しくなるのではないだろうか?
これはウツの恩返しかも?つるの恩返しのつるの名前って確か『ツウ』だから、ウツと近いじゃん‥


7月29日 (木)  [935] 店員

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朝からすごい雨、台風みたい。
昨日、駅に子猫預かりに出かけ、時間があったので駅ビルの服屋さんでシャツやズボンを眺めていたら販売員がやって来てどうのこうの優しく根気強くすすめる。
ワシ、こういうのダメだ。
子供の頃、父親と山に山菜取りに出かけ、帰りに服屋さんに寄った。山帰りで汗かいていてボロの服装で長靴だった。欲しいものを選んでいると店員さんがやって来て僕らの汚げな服装をいぶかしげに見て「あら〜お父ちゃん、何欲しいの?」と、子供をあしらうようなトーン。なんだよ!うちら汚い乞食親子かよ。怒った父親は金ならあるんだぞと札束で店員の頬を撫でた、んなわけなく、そんなのお構い無しに目的に向かって、どれが欲しいんだ?と僕に聞いたが、僕は、なんか悔しいんで、何も欲しくない、帰ろう。身なりで人判断するなよな!バーカ。‥それはたぶん、ワシの中の財閥に生まれ育ったプライドが許せなかったんだろうね。
別にそんな事があったからすすめ上手の売り子に何かいわれるのが苦手なわけではないが、とにかくダメだ。
店員が商品をすすめない店で自由に落ち着いて選ぶのが好き。
外国とかで、あんまりしつこく売り込んでくる物売りも苦手だ、あっちいけ!
そんな売り子が苦手な自分が展覧会場にいて売り子してる事自体が矛盾してる。
ワシが自分の作品のお客だとしても、誰かにとやかくいわれる事なく作品をじっくり眺めたい。
それに、ワシは、世間なんか興味なく黙々と作り続けるアーティストや職人の姿勢を美しいと感じる。
沈黙が美徳よ‥沈黙とか静寂というのはしゃべらない事ではなく、世間なんか興味なくいる姿のこと。
だからこそ、世間が興味を引く世間から遠く離れた新しい作品ができるのではないだろうか?
それなのに、自分が美しくもないアーティストをやっているってのはおかしい、頭が分裂だー、ウツにもなるわな。
まあ、世の中泥棒もいるから店番程度は必要だけどね‥フンだ。


7月28日 (水)  [934] アルコール

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晴れたり曇ったり風強かったり‥
昨日粘土いじりにリキ入ったので、今朝は、久しぶりにやり残していた藤棚作りに入ろうと準備する。
アトリエ改造で出て来た材木を化粧梁にしようとしたら、なんと、寸法が足りない。柱の方にはボルト穴開けてしまったのに‥新しい材木買う気がしないし、どうしよう?穴を利用して粘土で何か作ろうか?
この間ビールサーバー大チャンと話しをしていて、ラーメン屋や飲み屋さんにアルコール探知器を置き、酔いが引っ掛からない程度に覚めてから車で帰るようにすればいいのでは。車で出かけ、あまりに暑いので、ビールを一口くぴっと飲んでメシ食う、などとしたい時あるじゃん。ほんの一口で別に酔うわけでもないのに車は大丈夫かと心配になる。アルコールの入った漬け物や料理だってあるんだし、その程度のアルコール濃度がわかれば安心。店に置いてあるアルコール探知器にハーッと息をかけ、これだったら全然OK。では車で帰宅、となる‥と、そんな事話していて、そうだよなぁ、店にアルコール探知器あれば、安心して飲める店という好印象つくだろう。酒気帯びでなくなるまで暫くコーヒーでも飲んで待つとか、一眠り部屋があるとか‥そうすりゃ、ひとりひとりがアルコールに対して自己管理するようになる。
そいで、インターネットでアルコール探知器探したらあった。あるんじゃん!
早速注文し、今朝届いた。
携帯電話のようなもので、ハーッと息をすると息1・中のアルコール濃度がデジタル表示される。
ほんの一口のビールが何分で運転OKになるかわかるわけだ、かなり安心、ガハハハ‥
でも、この機械の取扱い説明書に、
警告!:本器は自動車運転の可否の判断に絶対に使用しないで下さい。一切の責任はおいません。だって。なるほどね‥
夜、子猫の里親4号が仕事で韓国に何日間か行くから猫預かってという事で駅まで猫取りに。
待つ間、メシ屋に入ってビールでも、あ!アルコール探知器忘れた。
子猫2週間以上ぶりにアニニョンに見せたら、すぐわかってペロペロ、子猫の方も親兄弟がわかって跳び喜んでいた。へぇ〜いつになったら、親子がわからなくなるんだろう?


7月27日 (火)  [933] アスラ

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はれ〜
よお〜し、粘土いじるぞ〜と今日は気合いが入っている。
小淵沢、名古屋と展覧会で仕事の関係者やお客さんと会って来たが、それほどでもない。
ワシ、基本は作り手。
なんとなくマエノッチや現場の係りの人の誘いにつられて顔を出してはみたが、後々まで引きずりウツのようになる。
ワシ、子供の頃から引き蘢りのプチ自閉症児、このまま籠って死ぬよりは、その性質でもって世の中と接点を持たなければならないとたまたま粘土をいじったら才があったみたいで、30半ばで世間と作品が出合うことになった。自分は自閉症を克服しようとしたわけではなく、社会との接点のために自分の代わりに作品を提出したのだ。たまたま、作品がいろんな人に知れて本人まで会場に顔など出して偉ぶってサインなどしているが、ワシはただの籠った作り手。それを忘れてはいけない。タレントもどきや販促要員か売り子などやってていいものでない。売れようが売れまいが、きちんとした作品を作るのが先決。世の中の商売システムに流されてはいけん。ワシは立派な引き籠り!、世間におだてられ調子こいて出てたら、引き蘢りでなくなり、引き蘢りだからこそ生まれでる作品の質が地に落ち、ただの置き物になってしまう。
てなわけで、気持ち改め粘土いじり。
午前は軽く小さいのをいじり、ウォーミングアップし、昼、シーマサとラーメン食いにいったら新たなアイデアが噴き出した。やっぱ、これだよね。展覧会場なんかしょっちゅう出てたら社交辞令がうまくなるだけで、作品のアイデアも進歩もない‥まあ、たまには気晴らしに会場散策もいいけどね。
夕方から、大きな作品に挑戦。
いつの間にか、なぜだか、あの興福寺の阿修羅像に思いが馳せ、それらしきものをいじる。前は仏像らしきものをいじると世にある仏像もどきであったが、今回は自己の内部の仏が出て来たようでとても新鮮な不思議な作品が生まれた。
あとで、インターネットで阿修羅のことを調べたら、なんとあまりに悔しい人生。
今、自分は、世間に流されていた事が悔しくて阿修羅に共鳴したのだろうか?


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