2月5日 (土)  [3295] 公美堂75

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「ヘェ〜、まだ二十歳なんだ」っていうか「去年も二年前も二十歳ではないか!」と今頃気付く自分も他人の歳など気にしなさ過ぎだけど「本当にいくつなんだ?」と再度聞いた。芹沢くんは年齢など関心なさそうに「二十歳だと思うけど‥‥」と言う。マジでそう思っている顔だ。「二年前も確か二十歳と言ったぞ」と僕は聞く。「そうだっけ? おれ幾つだろう?」と興味を示したように言うが、それ程でもない感じだ。妙に新鮮な感覚に包まれた僕は「僕が知るわけない。何年生まれなんだ?」と聞く。「一九六四年」と答えた。生まれた年ぐらいは知っていたので何故かホッとした。とうとう芹沢くんは自分の年齢をちゃんと把握する事になり、僕より七つ下と決着ついた。もしかしてこれで芹沢くんの中の大切な何かが一つ失われてしまったのだろうか?