2月13日 (日)  [3303] 公美堂79

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 靴のまま部屋の中に通され、破かれた週刊誌の紙の上に足を置きながら一歩二歩進む。南の窓辺にある拾ってきたビールケースを数個並べ半分押し入れに突っ込み上に初めは白かっただろう煤け色した布団を乗せた簡易ベッドに座る。目の前には色さまざまな闇夜に輝く星のように飛び散った絵の具。座って落ち着いた瞬間、この部屋はすべてを包み込む真っ暗いブッラクホールのような空間に思えた。なにも吐き出さない空間、吸い込むだけの空間。ただ飲み込むだけの空間。ここに入ると何もかもが余計なもののように思え、吐き出したくなる。