2月11日 (金)  [3301] 公美堂78

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 見えたのは半畳の靴脱ぎ、その脇にはシンクの中でちょろちょろ音を立てて無駄に流れてゆくだけの水道水。奥には今まさに描かれている希望のキャンバス。目的のものを垣間見た瞬間やっと安心感に包まれる。六畳一間の部屋の中は床・天井・東西南北の壁をまずは建築資材の黒い油紙を貼り、その上を隈無く透明ビニールで覆っている。開かれた窓から漂う生暖かい風と射す光が透明ビニールを刺激し乱反射し部屋中がうねるように波打ち光る。床は絵の具だらけ。暑さとこの光と鼻を突き刺すテレピンの香りで少々目眩がする。