1月10日 (木)  [2169] 森へ7

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そういや、こんなじいさん、ワシが子供の頃けっこういたな。
いつも怒っていて子供が容易に近づけない頑固ジジィだ。
近所にいたわ。
つるっぱげのじいさんが。
妖怪かなんかと思っていた。
カブトムシの幼虫がいるという製材所にもいた。
こっちのじいさんは怒って追いかけてくる。
これも妖怪だと思っていた。
他の子供達はカブトムシ欲しさに危険を冒して近づいていたが、基本的自閉症のワシは一度行って眺め後は引き蘢って自分の中にいた。
秋の田んぼでボール遊びをしているとカマ持って振り回してくる狂った兄さんもいた。
一日中歯を磨いている振りをしている兄ちゃんや、通学途中に現れて裸を見せる姉ちゃんもいた。
よくよく考えりゃ、ほとんどみんな妖怪だった。
今も変わりないのだろうな。