9月10日 (月) [2060] 自我の境地14
私の仕事に『お札』という作品がある。 板に「大幸福」などの書をして粘土の招き猫を貼る。 一見なんの変哲もないどこにでもありそうな作品だが、この仕事はかなり楽しい。 書は精神的に清々しくなる。 いっぱいまとめて作るので、猫貼りは全身運動になる。 数が増えてゆくことが多作家の私には何とも心地よい。 バイトとして若者に参加してもらうことがある。 彼らはこの単純作業に多少天命の何たるかを感じるだろう。 安いのでどんな人も手に入れやすい。 手に入れた人はそれを家の中に飾るだろう。 その瞬間からその家はさわやかになるだろう。 天命を知った天職から生まれたお札だなのだから。
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