5月5日 (土)  [1932] 犬

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 FINE
子供の頃、飼ってた犬を思い出した。
犬猫など飼う事にとんでもないという親も、僕のゴリ押しで犬を飼う事を許可してくれた。可愛かった。ちびという名を付けた。なんも考えてなかったのだろう。名前を遊ぶというアイデアがなかったのだろう。ちっちゃいからちび。あまりにも無才だ。情けない。白い犬で雑種もいいとこで半分山羊が入ったような顔で毛は多少カールしてた。
優しいメス犬で、吠える事もなく、呼べばシッポだけでなく身体ごと振り曲がりながらやってきた。うっ、今、思い出すだけで涙が出るわ。長生きしなかったからな。なんでもそうだが、もっと大切にしておけばとか何かしら後悔するもんだ。雷が恐くてよく縁の下に隠れたものだ。僕の頃は犬などは放し飼いで、自由そのものだった。大きな犬や吠える凶暴な犬は繋がれていたが、ちびは優しいので繋がれなくても平気だった。うちは職業柄他所の人がたくさん来る。皆、ちびを可愛がった。時にバカが、可愛がってはいるんだろうがひねくれ屋らしく「醜い犬だなぁ」などと言ったりする。そやつを嫌いになった。そんな事がなければ嫌いになる事もなかったのだが、これはちびを強烈に愛でているから感受性が発達し鋭敏になり頭が働き始めたのだろう。ちびを中心に周りの人間の心が細かく分るように成長していったようだ。