4月29日 (金)  [1199] アルツハイマー

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 Fine
銭湯にて。足どりがふらついているお兄さんがやってきた。顔がサンタフェのダニパパそっくり。年はそんなにいってない、ワシより若いかも。ちょうど自分の斜め後ろの洗い場に座ったので、鏡でず−っと眺めていた。酔っているようにも見えるがそうではない感じ。自分の髪の毛を洗うのに重い手をだるそうに動かす。時々疲れて腕が落ちる。適当に髪の毛は洗われ、桶でお湯をかけるのだが、これがまた重いので大変。身体が不自由な人には見えない。ワシが風呂から上がって着替えていたら、お兄さん、何も持たずに脱衣所にやってきた。自分のロッカーを探している。風呂道具はすべて洗い場に置いて来ている。あれ?あれ?と言いながら自分のロッカーを探す。カギを持ってない事が不思議らしく、首をかしげながら使用していないロッカーをひとつひとつ開けてゆく。洗い場にカギがあるのが見える。たった数分で風呂道具とカギをどこにやったか忘れてしまったようだ。彼は脱衣所のベンチに腰掛けて頭を抱え、あれ〜?と悩んでいる。数分経って、彼は立ち上がり洗い場に向かい、もしかして洗い場にカギがあるのではと探す。でも探せない。自分がどこで頭を洗ったかも忘れている。洗い場を一周回るが見つけられずに脱衣所に戻って来た。またロッカーを探す。ベンチに座り、また、あれ〜?。ワシもベンチに座り彼の行く末を眺める。もう10分以上も経っていた。彼はおもむろに立ち上がり洗い場に向かった。今度はいとも簡単に自分が洗っていた場所に向かった。カギを見つけ少しニコッとした。オォ−記憶が繋がったようだ。不思議なものだ。アルツハイマーだろうか?アル中?薬?なんだろうね?
‥湯冷めしてしまったわい。