4月22日 (金)  [1192] 透明な根

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 Fine
昨日風呂屋に行った帰りにハックさんとこメシ食いに。ここで、メシ以外に厳粛も味わった。
ハックさんが二十歳の時に26歳の兄が死んだらしい。ハックさんが朝起きてコタツに入ってたら、兄がやってきて目の前でいきなり倒れた。また冗談だろうと思って近づいたら、痙攣してる。倒れた時に舌でも噛んで舌が喉につまり呼吸停止してしまったのかと思い、口を開けようとしたが開けられない。親父と一緒に兄の歯の隙間にライターを押し込み捻り二人で口を開けた。ところが舌は大丈夫。お医者さんをよんだが、もう死んでいた。心筋梗塞、突然死。
ハックさんは死んだ兄の子供が大きくなるまで借金があって辞めるにも辞められない兄の仕事を継いだ。十数年後、甥っこも大人になった。ハックさんはその仕事を甥っこにすべて譲り、一から自分の仕事を始めた。
風来坊の性格のハックさんは、兄の突然死で人生すべてが変わったように感じる、と言っていた。確かに、欲のままどこで野たれ死するか解らん根無し草の風来坊ハックさんに確かな根がある事を気付かせたのだろう。
死はまったくの静寂だ。波一つ立っていない状態だ。迷いや悩みや苦しみとは心に波立つ事であるから、解決はただ一つ、波立たない静寂しかない。しかし、それは死と似てはいるが死ではない。敢えて言うなら、心の死だ。透明な根っこを観続けることだろう‥