7月12日 (月)  [921] 透明なロープ

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くもり。
夕方、教授と蛇ピーと彼女のいとこ二人がやってきたので、庭でパーティー。
…私たちは目に見えない透明なロープを綱渡りしている。
右を見れば偽善者の風景があり、おいでと誘う。
左を見れば偽悪者の風景があり、来るなと誘う。
双方共に双方がなければ存在できない。右がなければ左はない。左がなければ右はない。上がなければ下はない。聖がなければ邪はない。正がなければ誤はない。片方だけでは不在なのだ、無いのだ、幻なのだ。
そのありもしない幻に誘われ魔が差しどちらかに傾けば奈落の底に落ちる。
ロープの始点はどこかと後ろを振り返り、記憶やルサンチマン始まる10年前やそこらあたりに始点があるだろうと思いきや、そんな陽炎のような僅かな記憶なんか無関係に果てしなく続いている‥なにせ、ロープは透明だから。
前を見れば、まったく未知だ、やっぱり透明だから果てがない。
未知を理解しようと思っても、理解しようとしている思考は全部死んだ過去の知識の集合体だから見当がつかない。
過去や知識には本当の未知はわからないのだ。
未知もわからん知識がもがき未来を決定する事ではなく、過去総て決定までをも捨ててしまうことでまったく透明な未知に包まれるのではないだろうか?
そしたら、どこもかしこも前後左右上下透明で、清清しく歩く事ができるだろう。
コップに注がれた水は広大な自由のカラを知らない。いくら新しい水を注いでもカラがわからない。水を捨てればいいのだ、コップではなく‥
美学という過去のこびりついた言語をいともたやすく新鮮な生まれたばかりの言語として使ったように‥
…何、言ってんだ、ワシ…
0時前にはみなさん帰った。
その後、ピンポーンと玄関の呼び鈴がなったので、電車なくなっちゃって戻ってきたかなと思えば、なんと警察、うるさいとの苦情が出たそうな‥これで3回目、今度からは11時前には庭クローズですね、わりぃ‥