8月31日 (日)  [637] カエル

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刑務所暮しはきつい。
だいたい受刑者なんてのは、自分の罪を認めてない。
それより、一体どんな罪を犯したかも認識していない。
何度、反省を促しても、いっこうに罪の重さに気付かない。
だから、あいつが悪い、自分は正しい、自分はいじめられているんだ、世の中が悪い、今に見ていろ、などと思い、自分の本当の姿を一生直視しない‥これを無知という。
そういうワシ、ア〜くそったれ〜と看守に苦情ばっかりいってるもので、まったく胃まで痛い。
‥ちょっと自分を振り返ってみよう。
と、胃でも暖めるため、のんびり水風呂ではなく湯に浸かる。
苦情や妄想が汗として流れ、すう〜っと新たな風が吹いた。
新しい個展の風景が見えた!
あっ、そうか!いける!
なんてことはない、ここが刑務所なのは居心地悪いから。
居心地悪いのは、自分の居心地いいとこをないがしろにして、夢のような成功した自分ばっかり思い描き追っているから。
そんなんだから、尚さら、ここが居心地悪い、ここは刑務所になる。
では、自分の居心地いいとこって?
‥たぶん、まわりの作品を買ってくれてるお客さんが知っているのかもね。
そんな気がしたら、いい作品の構想がばんばんでてきた‥ヘヘへ。
夜、ポチくんがなにかを発見したらしく、眺めてみたらでかいヒキガエル。
手足を伸ばせば20cm以上、なんと、立派な体、足なんか鳥のもも肉のように太く大きい。
こいつ、去年この庭にいたあいつかな?
こいつにとっては、ここは天国だから、たとえなにがあろうと戻ってきたのだろう。
えらい!あんたは真の自分を知っている。
本来の自分にカエル‥ということですね。