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11月8日 (土) [697] 信じる 朝も早から部屋片付け。 今日はベランダの部屋に置いてある三茶アトリエから引っ越した時に持ってきた思い出の品々を、これはもういらん、これはとっておこうと分け、いるものは段ボールにつめ荷物部屋に運び、昔の絵などは荷物部屋の壁にところ狭しと飾る。 いらないものはまたまた庭で燃す。 いつまでも燃えなかったのが辞書、これは小学校三年生の頃、同じクラスの男の子から貰ったもの。 もう、今はかなりボロボロで表紙がなくア行もないが、当時は立派なもの。 辞書など持ってなかった僕には高価なもので、今思えば、なんでこんな立派なものをくれたんだろう? 今までそんなこと真面目に考えたこと無かった。 彼の名前が貢君だから、僕に貢いでくれたのだろうか‥んなわけない。 彼は双子で大変シャレがうまく言葉遊びが好きでクラスの人気者だったように思う。 貢君どうしているだろう? 噂では、結婚したその日に嫁さんが自殺したとか聞いたが、ほんとだろうか?ほんとだとしたら辞書以上に不可解なことだ。 夕方、久しぶりにアヒルちゃんに会いに行く。 この人にはなぜか、一週間に一度ぐらい会いたくなるから不思議だ。 ほれてるわけではないが、ある程度日が経つとなんとなく気がそっちに向く。 でも気とはすぐにも変化し壊れ易いから軽く彦根のみやげ柿羊羹を持ってお茶を御馳走になって帰る。 ところで、ハックルさんが吐血に下血で入院したんだって、2週間程検査するらしい、大事に至らなければいいのだが‥心配になって気付いたのだが、この町に引っ越してきて、信じられる人といったら彼だけのような気がする。 他の出会った人は楽しかったり心地よかったり面白かったりといろいろだが、信じるという言葉が似合うのはハックルさんだけ。 もし、それを失ったらと考えただけで、大きな不安が押し寄せる。 この信じるというのは、なによりもまして大きい安心感なんだね。 子供の頃、僕と貢君は何か信じあえる安心感の中にいたのだろうか? |