8月28日 (水)  [297] わじん伝

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8月28日晴れ
ワシが神輿を担いだわけじゃないのに、疲れてますね。
昼頃新聞のタウン誌の取材がくるというので、さっさとやるべき仕事を済ませる。
二人の取材者の方が寿司持ってやって来た。
庭で食事しながら話そうとしたが、今日はやけに暑いので、中で‥
カセットのスイッチが入った。
生年月日、出身は?
と、聞かれたので‥それは言わなきゃいけない?どっちでもいいんだけど‥いやね、それを言うとね大変なことが起きたんだよね、最初の猫展の時。
実はね、ぼく、最初の猫展の展覧会やったとき、そこは東京世田谷三軒茶屋の画材屋さんの2階のギャラリーでね‥そこの内装設計したのは私で、あ!その前に、何で画材屋に画廊を作ったのかっていうとね、今から15年以上前、今日は8月だよね、あ!今日オレの誕生日だ‥ありがとう。
15年ぐらい前、ニューヨークで展覧会やったんだけど、その頃ワテはすごいアーチストだって自惚れの田舎者だったもんで‥あ〜そうそう、ところで、日本ではクラブやディスコやおかまバーなんかで展覧会やってたけど、画廊なんて気取ったところで展覧会などした事なかった‥そんなとこでやるのは凡々だと思ってた‥オイラが、なんでニューヨークのギャラリーに呼ばれたかっていうとね、そう、呼ばれたんだよね‥世田谷美術館で友だちが個展やっているってゆうンで見に行ったんだけど、だれもいやせんので、美術館の喫茶店でひとりコーヒー飲んで本に絵を描いていた‥あのね、スケッチブック買う金もったいないから小説本をスケッチブック代わりにしてたの‥今も残ってるよ。
気分よく絵を描いてたら、となりに座っていたサラリーマン風のめがね七三が面白いと声をかけてきたけど、おいドン、こんなダサイ友だち持った事ないし、うざいと感じ、いつも持ち歩いているピストルでそいつを撃ったんだよね‥もちろん玩具で玉もでない火薬バンバンのやつね。
そいつ驚いて、あんたニューヨーク行かない?っていってきたもんだ。
ますますうざいやつと思ったが、けっこうしつこい。
とうとう部屋まで押しかけてきて、作品見せろと言うンで見せてやったら、ファイルにしてくれって言うんだけど、ヤダって断ったら、借りていっていいか?自分でやるからって言うんで、いらない写真を渡したら‥半年後、ニューヨークのギャラリーから展覧会やるからと呼ばれちゃったわけ‥それで向こうにいったら、展覧会中にギャラリーが内部分裂しちゃって二つになっちゃったもんだからダウンタウンとアップタウンで2回できちゃった‥新聞なんかにも出て、売れたりもしたんだけど‥
と、招き猫わじん伝の話は果てまで続いた‥
大丈夫かな?
インタビューアーどうまとめるんだろう?