5月7日 (火)  [205] 地しばり

20020507-1.jpg

5月7日雨
朝から雨、窓から庭を眺めた。
傘さした錦木が見え、踏み石の近くに小さなかわいい草が見える。
黄色い花を咲かせるものだが、今は雨で閉じて黄色い丸になっている。
最初この草、僅かしかなかったがどんどん広がっている。
この草、かわいい葉っぱなのに『地しばり』というなんともすごい凶悪そうな名前。
そこまで強烈な忘れることもない名前をつけることないのに‥
…植物学者Kは、かわいい葉っぱだなあと、自分の庭で眺めてた。
見るたび、だんだん広がり庭中がこの草におおわれた。
芝生みたいでいいのではと思ってかまわないでおいた。
ある夜、軋む音とともに首を絞められるような悪夢に襲われた。
目を覚まし、首を触ってみたらあの草がついていた。
起き上がり、軋む音がする庭を眺めてみた。
庭中のあの草が、月明かりに、すくっと立ち上がり動いていた。
ひもをしばったり結んだりするような格好で、キュッキュ、キュッキュと踊っているように見えた。
Kは寝てるのに首絞められた悪夢で、こいつら地面をはって何もかもしばり殺してしまい、我々人間も‥やばい草だと思ってしまった。
この頃、まずいことにKのまな娘が家出してSM嬢をやっているとのうわさを聞いたばっかりだったのだ。
う〜くそ〜お前の名前は『地しばりむちパシパシロウソクタラタラ』だーと書き残し死んでしまった。
しかし、弟子達がそれではあまりにもということで『地しばり』だけにしたのであった…ちゃんちゃん。
僕なら、あら、かわいい、と思い『ヤサシクシバッテアゲマソウ』と名付けるのだが‥ちょっと長いかな?
この草にとってはとんだ災難だった。