11月18日 (月)  [372] 世界制覇

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17日朝、晴れたら山に行くぞ〜と登山靴を押し入れから出し、厚手の靴下、フリーズジャケット、着替えなどなどを準備する。
ここに引っ越してきて1年、少々慣れ顔見せ自己紹介もかねて、秋ということも重なり、人と会う機会が多い。
ので、なかなか山に向かうタイミングが合わない。
正月や個展などに向けての粘土いじりもあるのでそうそう行けるもんでもないし。
山にしょっ中行くようになる頃には仕事もねぇ相手にもされねぇ偏屈じじいになってるだろう‥まあ、仕事も人もいなくなって念願の山があるんだからいいけどね。
今日は曇り空、真面目に粘土いじりに熱中し、夜はカメツルーノさんに鍋呼ばれたんでちょいとお邪魔‥
帰って、さあ−寝るぞー
18日、朝の鳥の声に眼がさめる。
こういう鳥の声の日は天気がいい。
朝風呂入り頭をスッキリさせ、よし行くぞと車にリュックを入れ出発。
だんだんと山に近づくと、街路樹のカエデやイチョウの色鮮やかなこと‥だんだんワシは人間離れしてゆく‥
このところ人間の顔と思考を浴び過ぎた、静かでない。
あ"〜この人間離れが気持ちいい〜
山に到着。
土や石をふみ転ばぬように確かめながら一歩一歩あゆむ。
息も荒く汗をかき服びしょびしょなりながら山の頂きに着く。
まだ昼前だがとてもお腹が空いたので腰を下ろし持ってきた弁当を広げる。
お茶もおにぎりもゆで卵もいつもより数段うまい。
ア〜とてもきれいだ、モミジの紅葉も空の青さも隣の山の押し迫る緑も遠くの山々の山水画風もポッカリ飛び出た白い富士山も‥モミジの下にダァ−ッと横になり伸びをする。
山を歩くと目の前が危険なのでしっかり見る事になり、ものを考えてる余裕がなくなる。
人が山を歩くのは楽しいからという目的ではなく、考えが無くなってまったく美しい精神の静寂を味わうからであろう。
山を下り、まっしぐらに近場の温泉へ。
あ〜とてつもなく気持ちエエわぁ〜ガオ−
まだPM4時なのに、世界の何もかもを制覇したような満足感だ。
その後メシを食いに紅葉のきれいな庭のあるところに入る。
これがまた驚き、2000坪の敷地に転々と離れがあり、どの部屋からも、見事なニッポンの庭、川が流れ、苔むした水車、コイ、そして紅葉、わ〜眺め抜群、ここはどこだ〜、遠くに借景として緑の杉山、運良く丸い月まで浮かんでいる、アッパレ。
見事な庭作り、感心致しました。
人間離れの世界制覇した後だから、もう何でも美しいのかね、ガハハハハ‥